万城目学 「鹿男あをによし」
- 万城目 学
- 鹿男あをによし
「さあ、神無月だ――出番だよ、先生」
神経衰弱と断じられ、大学の研究室を追われた28歳の「おれ」は、失意のままに教授の勧めに従って奈良の女子校に赴任する。慣れない土地柄、生意気な女子高生、得体の知れない同僚、さらに鹿・・・・・。
そう、鹿がとんでもないことをしてくれたおかげで「おれ」の奈良ライフは気も狂わんばかりに波瀾に満ちた日々になってしまった!
「鴨川ホルモー」で衝撃デビューの超新星が放つ、渾身の書き下ろし長編小説。
◆ ◆ ◆
京都の「鴨川ホルモー 」に続いて、二作目の本書は”奈良”。
相変わらず奇妙なタイトルですが、内容自体の奇妙さも、鴨川ホルモーに並ぶもの。
ホルモーほどのインパクトはありませんが、スケールではこちらのほうが上。
一種のファンタジーですが、なぜか妙に現実とつながっている感覚があります。
先のホルモーに引き続き、対戦的な要素もあるのですが・・・・・・。
今回は、それだけがメインではなく、更に一捻り。
”それ”が何であるかは伏せておくとして・・・・・・。
一つだけいえるのは、相変わらず、とてつもなく面白い作品だということです。
少し大人しめになった分、構成などは「鴨川」以上に巧く、読ませる力は並ではありません。
先が気になって、読み進めずにはいられない――そんな本。
ただ面白いだけではなくて、予想外に(?)伏線も多く、ラストの展開には思わず唸ってしまいました。
歴史と絡めて語られる、壮大な背景は必見です。
何か面白い本はないか、と探している人にお薦めしたい一冊。
純粋に、物語の面白さを味わえます。8点。
個人的には「鴨川ホルモー」より好みでした。
ぜひとも、このような方向性で書きつづけていって欲しいです。次の舞台は・・・・・・はたして?