渡辺浩弐 「デジタルな神様」
- 渡辺 浩弐
- デジタルな神様
| ガンの再発で死んだはずの僕の祖父が、じつは生きていた。…『ハウ・トゥ・不老不死』日常の完璧なサポート・ツール"アドバイザー"を奪われたとき、僕は…『デジタルな神様』わずか数年後の未来="1999年"の日常をシミュレートする仮想科学小説集。『1999年のゲーム・キッズ』完結巻。 |
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「1999年のゲーム・キッズ 」と同じテイストのショートショート集。
近未来を舞台にしているのですが、面白いのは、「現実が小説の世界に追いついてしまっている」ものがいくつかある点。
この本が発表された当時は「近未来SF」だったのが、今では現実のものとなってしまっている、あるいは現実になりつつあるという事実・・・・・・。
これは、リアルな恐怖です。
基本的には「1999」の延長上にある作品なので、まとめて読めば同じような感想になるのでしょうが・・・・・・。
少し時間を空けて読むと、違った読み方もできますね。
以前からこの作者の書くショートショートはどこか小林泰三らしいところがあるように感じていたのですが、本書では一層その感が強かったです。
特に、どれとは書きませんが、ある一編が・・・・・・。
テーマも書き方も非常に良く似ているように感じました。
「1999年」という特殊な時代を書いたこの小説、今読んでも――あるいは今読むからこそ、別の意味での面白さを発見できるような気がします。
皮肉ながらも、未来をかなり的確に予見していますね。
これをあと十年後くらいに読み返したら、そのときはどのような感想を抱くのでしょうか・・・・・・?
軽く読める、とはいえ、ただそれだけでは終わらない。優れたショートショート集だと思います。7点。
「1999年のゲーム・キッズ」とあわせて読むのがお薦め。