城平京・木村有里 「ヴァンパイア十字界 9巻」(漫画)
- 城平 京, 木村 有里
- ヴァンパイア十字界 9 (9)
8巻以前の感想はこちら。
個人的に一押しのミステリ漫画、「ヴァンパイア十字界」の最終巻です。
8巻までは繰り返されるどんでん返しと伏線回収が醍醐味でしたが、さすがにこの巻では、これ以上ひっくり返すこともなく。
おそらくは、最初から用意されていたラストに向かって話が進んでいきます。
全ての真実が明らかにされた今、ヴァンパイア王と黒鳥の戦いは、どのような決着を迎えるのか。
・・・・・・ほぼ予想通りの結末でした。
一つだけ予想外のことがありましたが、中盤のネタバレになるので・・・・・・・「弱すぎ!」とだけ言っておきます。
「途中の展開は全く読めないが、ラストだけは1巻で予想できる」と友人が言っていましたが・・・・・・。そのとおりかも。
予定調和に収まったなー、と。
正直、普通すぎて物足りないところはあるのですが、綺麗な終わり方です。最後の最後までロマンチック。
どうにかこうにか、宇宙規模まで広がっていた話をしっかり収束させてはいたので、その点では安心しました。
ちなみに、書き下ろしのおまけでタイトルの意味が語られていますが、これはいくらなんでも後付けでは・・・・・・。
完結した後で全体を振り返ってみると、
やたらと(それほど必要性の無い)キャラクターが多かったり、展開も滅茶苦茶で、作品としてのバランスは微妙ですが、
それでも、読んでいて面白い作品、という事には変わりないでしょう。
1、2巻で「ありきたりなファンタジー」と思わせておいて3巻でどんでん返し、4巻で絶対予測不可能な展開に持っていき、7、8巻で一気に伏線回収&どんでん返しの連続。
繰り返し書いていますが、本当に先が読めない漫画です。
最初からリアルタイムで追いたかった、と思わせられるくらい。
ミステリ好きなら読んで損は無いです。多少粗くてもお薦めしたくなるような、そんな魅力をもった作品。
・・・・・・ただ、これも繰り返し書いていますが、最初のほうははっきり言って面白くないので、これから読む方は最低3巻まではまとめて読んでください。
序盤はあくまで、伏線を張っている段階に過ぎません。
完結してもそれほど話題にならなかった本作ですが、隠れた傑作です。
未読の方は、騙されたと思って読んでみてください。
ミステリ漫画の中でも、特にお薦めです。