福井晴敏 「亡国のイージス 4巻」(漫画)
- 横山 仁, 福井 晴敏
- 亡国のイージス 4 (4)
僕が最も好きな小説の一つ、「亡国のイージス」漫画版の最新刊。
漫画版の区切りでは第一部の完結編にあたります。
・・・・・・こんなところで第一部完なのか!? と最初見たときは驚きましたが、区切りとしては良いでしょう。
小説版で言うと、文庫での上巻ラスト100ページから下巻の冒頭にかけて。
上巻で一番盛り上がるシーン。
最初はちょっと・・・・・・と思っていた絵も、随分マシになってきています。
少しグロテスクな部分もありますが、迫力が出ています。一巻と見比べると、相当画力がアップしていますね。
映画ではカットされていたスワローテイル対のシーンも忠実に描かれていて良い感じです。
映画でこれも一部カットされていて不満だった、「発、いそかせ。宛、自衛艦隊司令部」から始まる、<いそかぜ>の宣言も全文そのまま使われており、個人的に高感度高いです。
また・・・・・・これは原作にあったのかどうか覚えていませんが、作中で憲法第九条が<うらかぜ>撃沈にかぶさって書かれてあったのも良いなぁ、と。妙に効果的です。
最近色々と軍事関係が問題になってきていますが、だからこそ「亡国のイージス」も再注目されるようになったのかな・・・・・・。
まあ、確かに多くの人に読んで欲しい作品ではあるので、良いんですけどね。
漫画版はともかく、原作の小説をまだ読んだことない方は是非ご一読ください。
今まで読んだ全ての本の中で、ベスト3に入るくらい面白かった小説です。
面白いだけでなくテーマも深い、そしてミステリ的な驚きも持ち合わせている、という文句のつけようがない大作。
長いですし、最初のほうは読みづらいかもしれませんが、絶対に読んでよかったと思えるはずです。
映画版、漫画版は原作を読んだあとで。
確かにそちらのほうが読みやすい、というのはあるのですが・・・・・・。やはり、原作にはかないません。
ちなみに、原作を読まれている方はこの漫画版4巻はお薦め。
最大の見せ場が十分に描かれていますので。
次回以降は対人戦闘が多く出てきますが、果たしてこの人の絵だとどうなるか・・・・・・。楽しみです。