辻真先 「盗作・高校殺人事件」 | The Key of Midnight

辻真先 「盗作・高校殺人事件」

辻 真先
盗作・高校殺人事件

新宿駅のホームで起きた大惨事。その直前、向かいのホームにいとこの幽霊を見たという三原恭助に誘われ、被害にあった三組の高校生カップルが鬼鍬温泉を訪れたとき、地元に伝わるむかしばなしを髣髴させる事件が勃発し、お馴染みスーパーとポテトの活躍が始まる。

推理作家・辻真先の出発点となった超犯人シリーズの第二弾。

 

 ◆ ◆ ◆

 

作者は被害者で、犯人で、そして探偵でもある――。

前作 の「読者が犯人」に引き続き、今度はさらにレベルアップした趣向。

もちろん、納得できる解決が待っています。

ジュブナイル・ミステリとしてはどうかと思いますが、

前回より格段に面白かったですね。

少し文章に慣れたからかも。

何故か、少し読みにくいと感じてしまうんですよね・・・・・・。このシリーズの文章。

元はジュブナイル小説なのに。

キャラクターもなんだかな、と感じてしまうのはやっぱり20年前の作品だから?

でも、ミステリ部分は十分現代でも通じます。だからこそ復刊されたわけで。

二つの密室殺人、爆発事件の真相、幽霊の正体、そして犯人・・・・・・。

「超犯人シリーズ」と称されているだけあって、犯人まわりの部分がよく出来ています。

先にあげた趣向もそうなのですが、それを無視してもこの犯人は予想外でした。

また、密室殺人の真相部分も、前回よりは面白みが増しているかな。

このほかにも色々な謎と解決があり、それが一本にまとまっていくのは上手いです。

ただ、後味が悪いのは前回共通ですね。

せめて、三部作最後の話は後味がいいことを願います・・・・・・。

7点