小路幸也 「HEARTBEAT」 | The Key of Midnight

小路幸也 「HEARTBEAT」

小路 幸也
HEARTBEAT

優等生の委員長と不良少女の淡い恋。できすぎたシチュエーションかもしれないけれど、すべてはそこから始まった。
彼女が自力で自分の人生を立て直すことができたなら、10年後、あるものを渡そう??

そして10年が過ぎ、約束の日がやってきた。しかし彼女は姿を見せず、代わりに彼女の夫と名乗る人物が現われる。

彼女は3年前から行方がわからなくなっていた。
居場所を捜し出そうと考えたとき、協力者として僕の脳裏にひとりの同級生が思い浮かぶ。
かつて僕に、ブックマッチの格好良い火の点け方を教えてくれた男が??。
約束を果たすため、ニューヨークの〈暗闇〉から帰ってきた青年が巡り合う少年少女たち、
そして最高の「相棒」。

期待の俊英が放つ、約束と再会の物語。


 ◆ ◆ ◆


昨日読了しました。

元々小路さんの作品は好きなので、これも期待して読み薦めたのですが、期待以上の出来。

個人的に、この作品は今までの小路さんの作品の中で一番良く出来ている物語だと思います。

二つの物語が同時に展開していき、最後のパートで一つの話にまとまります。そして、互いに欠けていたピースを埋め合わさり全体像が見えてくる・・・・・・という構成。


基本的には青春小説ですが、「ミステリ・フロンティア」の一冊というだけあってミステリ的な仕掛けもあり、またそれが驚いて終わり、ではなく感動につながるという点が素晴らしい。

仕掛けに関しては、もちろん深くは書けないのですが、この独特の構成がミスディレクションになっているように感じました。

最後まで読んでからもう一度最初から読むと、軽く読み流してしまった台詞や登場人物の行為などに隠されていた「別の意味」が明らかになります。

というわけで、この作品は二度読み・・・・・・とまではいかなくても、読後にいくつかの場面を読み返してみるとより楽しめるかと思います。


タイトルの「HEARTBEAT」という言葉は、中盤で説明が入るのですが、それがラストに深く関わってきます。

上手いタイトルだな、と。

とても切ない話なのですが、読後感は非常に爽やかで心地よく感じられます。

小路さんの作品がお好きな方はもちろん、初めて小路さんの作品を読まれる方にもお薦めの一冊です。

ちなみに、評価は7点