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私は石田衣良の本が生理的に無理なので、石田衣良という概念を忘却してから読むことにする。それか「石田衣良:(1924~1991)没落貴族の子として生を受け、東京帝国大学法学部へ進学。在学中は三島由紀夫と寝食を共にする。大戦直後の日本を担った若者像を巧みに描いた小説を数々発表。」みたいな人物だと思って読んだ。
大学生の頃相模原から江ノ島まで夜通し歩いたことを思い出した。深夜に食べたすき家の豚汁は人生で最高の豚汁だったし、太陽が昇ったときはじめて「太陽さんありがとう!生きて朝が迎えられてよかった!」と心から思った。不審な車に追いかけられたりしたからね(笑)
雪が溶けたらまた長い距離を歩いてみたくなった。
ちょっと疑問だったのは、仮にも自分の兄を殺した犯人とデートのようなものなんてできるのかぁー?ということ。本編とはあまり関係ないけど……
ふがいない僕は空を見た/窪 美澄

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みんな常に悩んでいて迷っている。ダメ人間でどうしようもなくて救いようがない。神様は寄り添うだけで何もしてくれない。それでも時間は進んでいくし、人をおいてけぼりにしたまま季節は過ぎていく。人はぽん、と世界に放り投げられたら、自分で立ち上がって歩いていくしかないんだなと思った。誰かを救う人も誰かに救われていて、違う誰かを傷つけたりもしているんだろうなと。
舟を編む/三浦 しをん

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良くも悪くも上手く運ばれたストーリー。現代の天地明察といった感じ。というか天地明察とかぶっているような。
映画になりそうな話で読みやすかった。辞書の編纂がどのようにして行われているかなんてまったく知らなかったので、ひとつひとつ新鮮さを感じながら面白く読めた。
ただひねくれものの私としては、なにやら上手くいきすぎではないか?という割り切れなさがついて回った。
辞書にまったく興味の無かった西岡や岸部が、些細なことでコロっと辞書に熱い人になってしまったり、馬締がコロッと香具矢に惚れてしまったり。
さまざまな箇所で動機付けの弱さを感じた。そのせいで、
「香具矢は少し恥ずかしそうに、目を伏せて端座している。『自分、不器用ですから』と言いだしそうな風情だ。きれいなのに、なんだか変わったひと。でも、いやな感じはしない。」P168なんていう表現を見るとなんとなく「押し付けがましいなぁ」と思ってしまった。
登場人物のキャラ作りがくどいというか・・・・・・。
あとは男性の登場人物の一人称がみんな(たぶん)「俺」っていうのが気にかかった。普通出版業界のような職場では「私」とか「僕」と称するのが礼儀じゃないのー?という疑問と、馬締さんはどうみても僕キャラだろという不満が(笑)
なんて文句ばかり垂れてみたけれど、この本の装丁がまさに「大渡海」になっているという粋な演出もおもしろかったし、やっぱり結びの文章が美しかったし、私も「用例採集」しようなどと啓蒙されたので読んでよかったです。