やっとの思いで読み切りました。涙が出ました。
激動の1950~60年代アメリカを飾る人物「マルコムX」の自伝です。
マルコムX…と聞いて思い当たるのは、過激派の黒人解放運動・分離主義者…などではないでしょうか。
どうしても非暴力を訴えたキング牧師の陰に隠れて、暴力的にさえ見られてしまう彼ですが、まったくの誤解です。
確かに非暴力・融和主義者と比べたら、過激派に当たるのかもしれませんが。
なぜ今キング牧師ばかり称賛され、マルコムXは陰にいるのか。
差別、苦悩、裏切り…読んでいて胸が痛くなります。
でも、とにかく読むべきです。
彼は彼の予言どおり暗殺されました。
。
読めば誤解は解けるし、キング牧師の思想の限界も見ることができると思います。
私がごちゃごちゃ言っても意味ないので、彼の言葉をいくつかのせます。
「白人が黒人に、おまえは俺を憎んでいるのか、と聞くのは、強姦者が犯された者に、あるいは狼が羊に、『おまえは俺を憎むのか?』ときくのも同然です。」
「どうしてアメリカの白人政府は、非白人たちに『民主主義』や『友愛』を売りつけていて平気でいられるのだろう?…ほかならぬこのアメリカで起こっていることを毎日読んだり、聞いたりしているのなら、また、アメリカ生まれの非白人にさえ『民主主義』や『友愛』を拒否しているアメリカ白人の千万語にまさる写真を見たら、そうしてはいられないはずだ。我が国の黒人がどんなにかアメリカの白人を愛し、彼のために奴隷となって苦役し、彼に役立ち、その世話をしてきたかは世界の非白人の知るところである。」
~メッカ巡礼後~
「もし法が黒人を白人から守ることができなければ、黒人は自分の身を守るために、必要とあれば武器をも取るべきだと思う。」
「黒白人種ともに人間としてアメリカの問題を正すべき義務と責任を負っている」
「この書物が完成されて自分の眼で読めるまで生きながらえるとも思っていない。読者諸賢は、私のいったことが正しかったか、間違っていたか、自ら判断して頂きたい。それは、白人たちはその新聞を使って、私を『憎悪』の塊のような人間に仕立て上げようとしていることである。白人たちは、私が死んでも、生きていたときと同じように、私を勝手に『憎悪』のシンボルとして利用することであろう。」
自伝だととっつきにくい人はスパイクリー監督によって「マルコムX」という題名で映画化もされているのでぜひ観てください。
マルコムの死から約40年。
アメリカではじめての黒人大統領が誕生しました。
マルコムの人生が無駄じゃなかったと思いたいです。