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父ちゃんからもらった本、40年近く前のものでした((;゜゜)
<あらすじ>
2度の大戦を終えた昭和20年頃、首長である父を戦争で失ったかず子と彼女の母は没落貴族として生きなければならなくなった。弟の直次は出兵したきり還らず、家を売り払い叔父が用意した伊豆の山荘で暮らす二人は…
@感想
教科書に載っていた『走れメロス』は別として、恥ずかしながら初めて読んだ太宰作品。
太宰の「死」に対する憧憬の念のようなものを感じます。
死にゆくものの儚い美しさ、生きることの無意味さ血生臭さを身にしみて感じながら、それでも生きていくという歯がゆくてもどかしい葛藤を切々と感じました。
太宰は結局自殺したけれど、
死を待つだけの人生に価値や意味などないという結論に絶望してもなお、それをひっくり返したくてもがいていたんじゃないかと思う。
理想と努力の結果が必ずしも同じになるわけではない。
人はみんな救われることを求めて努力するから、望まない結果がわかっていても、努力すれば救われるんじゃないかと必死に生きるのかもしれない。
死んだ方が賢いけど、やっぱり生きたいってことかな。
ストーリーの全体が静寂に包まれていて湿っぽくて陰気だけれど、どこか揚々としてる感じもする。
まさに燦々と照る太陽が、今に沈もうと傾いている様、斜陽だ。
昔の文章だから感情移入できないと思ってたけど違った。
ちょっと泣いた。