出演者の方にお誘い頂き、神戸から仙台まで聴きに伺いました。
行きの飛行機からは、お天気も良く、遠く富士山を望むことが出来ました。
平日の昼間の公演でしたが、会場は満席。期待が高まります。
演奏の合間に、おふたりのソリストが、それぞれおひとりずつ、指揮者の方とトークをされると言う趣向でしたが、指揮者の方がとても良くしゃべる方で、もっともっとソリストの方達から面白い話を引き出して下さると、より良かったのですが、いわゆる「予定調和」で終わってしまい、そこらへんは残念でした・・・。せっかく仲の良いおふたりのソリストが揃っているのですから、トークの時間をひとつにまとめ、もう少し時間をかけ、じっくりと3人で進められれば、更に盛り上がったはずなんですけれどね。
演奏ですが、北端 祥人さんがソロを弾かれたバルトークの3番の協奏曲、仕上がり具合・完成度と言う面からみても、とても素晴らしかったですね。弾かれる音の粒が非常に良く立ち、リズム感も申し分なく、演奏そのものも大変落ち着き払い、端正で曲の良さを引き出した、文字通りの秀演でした。坂本 彩さんがソロを弾かれたラフマニノフの3番の協奏曲、この曲はやはり難物ですね・・。曲の骨格はしっかりとホールドされ、情感の表出も過不足の無い、オーソドックスな演奏で、とても好感を持ちましたが、その一方で、幾分準備の時間が足りなかったような印象があり、細かい部分の傷が本番で目立ってしまったのはやや残念でした。序盤から慎重に運ばれてはいましたが、第2楽章の最初の乱れは、ちょっと彼女らしくありませんでしたし、第3楽章での速いパッセージでも少し急(せ)いてしまい、音楽が前のめり気味になってしまったのも、この曲の持つ難しさなんでしょうか。ただ、「協奏曲」ですし、そういう部分では、更にオケも彼女のソロに寄り添いながら、もっと積極的について行ってあげて欲しかったですかね。それでも、曲を見事にまとめきった技量は大変見事で、彼女が持つ実力を見せつけられました。
おふたりとも、今日弾かれた曲はこれから何度も弾かれる機会もあるでしょうし、更に更に磨かれた演奏をお聴きしたいものです。
終演後は、楽屋に押しかけ、お疲れのところ、公演の大きなポスターにサインを頂戴し、本当にありがとうございました。ポスターを拡げられるスペースもありませんでしたので、帰りの仙台空港駅のホームで、電車をバックに写真を撮らせて頂きました。自宅で大切に飾らせて頂きます。




