雪で、高速道路が通行止めになるのでは、と言う不安はありましたが、ご尊敬申し上げる、大好きなピアニストの前田 祐里さんからお誘い頂き、神戸から名古屋まで聴きに行って来ました。
ヴァイオリンを弾かれた春日井姉妹、お互いに個性は違えども、調弦は完璧、ボウイングも見事に揃い、小さいころから同じお家で練習に勤しんで来られたことが良く窺い知れました。とても雰囲気のある、素晴らしいヴァイオリン弾きのおふたりです。
イザイの2vnソナタは、L.コーガンが編集した、多少短縮された版が使用されたようですが、原曲では第3楽章が幾分マンネリ気味に感じることもありますので、かえってこの日に演奏された版の方が、聴きやすかったように思います。演奏は、細部にまで良く練り込まれた痕が感じられ、お二人が「ずっと弾きたい」と思って来られた「思い」が、客席にまで十分に伝わって来まして、こちらも演奏を堪能しました。曲ももちろん良いのですが、共感に富んだこの日の演奏は、とても素晴らしかったですよね。
ヴィヴァルディの協奏曲、妹の恵さんが1stvnを弾かれましたが、清廉な音の中にも、重厚な音色が感じ取られ、見事な音程と右手のテクニックで以って、大変趣のある、そして推進力のある素晴らしい音楽が展開されて行きました。
モシュコフスキの組曲は、イザイと共に姉の久美子さんが1stvnを執られていましたが、キレの良い張りのある音質が曲と良くマッチし、華麗なテクニックと相まって、大変鮮やかな音楽をお聴き出来ました。
この日の公演に誘って下さった、前田 祐里さんのピアノですが、ピアニストにとって、この日のプログラムは、それ程「聴かせ場」が無い、そんなもどかしさもおありになったと思いますが、決して出過ぎない過不足のないサポートが、お見事でした。
お二人のヴァイオリニストによる、演奏前後のレクチャーと、プログラム裏面に記載された資料(「年表」)は、この日聴きに来られたお客さんにとって、聴くにあたっての適切な「道しるべ」となっていました。単なる演奏だけでない、このようなアカデミックな進行は、その奏者の素養が明らかになり、一面では怖い部分もありますが、お話の中から、お二人がこれまで歩んで来られた足跡が、明確に感じ取られ、その意図も十分にくみ取ることが出来ました。
私にとって、とても思い入れのあるイザイのこの作品ですが、2014年に田野倉 雅秋さん&渡辺 美穂さんによる二台ヴァイオリンによる「原曲版」を、今年に入り森岡 聡さん&石上 真由子さん&後藤 彩子さんによる「トリオ版」、そして、この日お聴きした「L.コーガン版」、3つの異なる版をお聴き出来ました。
この曲は、今後盛んに演奏されて行くと思います。様々な奏者の方に拠る、更に深化したこの曲の演奏を、これからも期待したいと思います。
演奏後のお疲れのところ、持参した譜面にサインを頂戴しました。ありがとうございました。



