場所を姫路に移しての3日目です。今日行かれた方で「満足した」と言う方は相当の通ですね。聴いていてかなり疲れました。渋い曲が並び、聴き通すにはかなりの忍耐力を必要とします。プロコフィエフの「ヘブライの主題による序曲」、ロメイコさんが主導していましたが、「お国もの」と言うこともあるのか、非常に伸び伸びとトップを取られていました。主題の素材が面白いので、馴染みがない曲と言っても、まだ聴いていて楽しめたのではないでしょうか。モーツァルトの五重奏曲、川久保さんが弦のリーダーを取られた演奏。まだ音に違和感は感じましたが、古典の曲と言うことで今日は比較的しっくり聴こえました。そう聴こえたのは、短期間ですが彼女の成長だとも言えるかも知れませんし、あるいは昨日までの会場と楽器との相性があまり良く無かったのかも知れません。今日の会場はまろやかな聴こえ方で、曲にも良く合っていたようにも思いました。一方、肝心のシュナイダーさんのホルンですが、連日の疲れもあるのか、あまり好調だとは言えませんでしたね。この演奏が今回最後の楽曲でしたが、ご本人もこの演奏の出来栄えは良くわかっておられるのか、演奏後少し渋い表情を見せていたのが印象的でした。休憩無しで続くブラームスのクラリネットトリオ、今日から登場のアルトシュテットさんのチェロがどのように絡んで来るのか注目していましたが、非常に情感あふれる素晴らしいチェロを弾かれていました。メイエさんはいつも通り安定感ある演奏を聴かせてくれましたし、スカナヴィさんとの息もぴったりと合い、ここまでで最も感銘を受けた演奏でした。特にこの3人の弱音の部分での表現力・アンサンブル力はなかなか聴くことのない高いレヴェルにあったと思います。老巨匠・ブラームスの心境を十分感じることが出来ました。感動しました。休憩後のメシアンですが、事前に思っていた通り、この音楽祭でこの曲を演奏するのはまだ早いような気がしました。「眠かった」「退屈だった」・・・、演奏が終わったロビーでの多くの聴衆の会話を聞いていても、そんな話題ばかりでした。演奏中寝ていた人が、カーテンコール時に「ブラヴォー」を叫んだり、立ち上がって拍手していた姿は滑稽でした。どうしても聴きたいと言う人がチケットを入手出来ずに外でキャンセル待ちしているのを見るにつけ、興味の無い人や参加するだけの人は、こういう曲目の演奏会に来られるのを遠慮してもらいたいと思います。肝心の演奏ですが、短い練習時間だったとは思いますが、かなり高いレヴェルではなかったでしょうか。個々人の演奏・解釈能力がずば抜けていることに加え、それぞれがそれぞれを信頼しきって、とにかく楽譜通りに演奏すれば一定以上の出来栄えとなり、そして演奏途中でアンサンブルが温まって来るにつれ、どのようにすればより高まるのかと言う音楽的な勘が働き、総合的に素晴らしい芸術作品に仕上がると言う過程を見せつけられた圧倒的名演だったと思います。多少傷もありましたが、全く気になりませんでしたね。有名な4つの楽器が合わさるユニゾンの部分も見事でしたし、メイエさんのソロももう聴き入るしかないと言う次元の演奏でした。それぞれの楽器の音量的バランスも非常に良かったですね。本当に素晴らしいアンサンブルでした。最後に、会場について一言。演奏中の場内が明るいんですよね。これってもともとこのホールのやり方なのか、それとも何か事情があって今回だけそうしているのかはわかりませんが、演奏中の場内が明るいと言うことは、手もとにある紙類を聴衆が見ながら演奏を聴くと言う状況になるわけです。と言うことは、必然的に演奏中に紙類のガサガサした音がひっきりなしに聴こえてしまうと言うことなんです。この明るさで舞台上を観ていて目も疲れますし、これは良く無い仕組みですね。休憩時間にスタッフに改善してくれるよう話しましたが、休憩後も結局変わりませんでした。演奏中、真後ろの席でひっきりなしに話をするお年寄りも声にも参りました。一体何をしに来ているんでしょう。せっかく屋内で細かいニュアンスを楽しみにきているのに、これでは素晴らしい演奏もすっかり台無しです。明日からは屋外の舞台での演奏、それなりに楽しみたいと思います。奏者の皆さん、残り半分になりました。明後日はたった1日ですがお休みがあります。体調には十分お気を付け下さい。
