イギリス海軍で運用されていた複葉雷撃機「フェアリー ソードフィッシュ」の旧式化が色濃くなってきた1936年、航空省は仕様書『S.41/36』を策定し、フェアリー・アビエーション社に新たな複葉艦上雷撃機の試作を指示した。
また、この仕様には「雷撃」「偵察」「観測」 (TSR; Torpedo, Spotter, Reconnaissance) の用途に使えるソードフィッシュの代替機とするイギリス海軍の艦隊航空隊 (FAA) の要求も盛り込まれていた。
◆「ソードフィッシュ」より近代化で洗練された機体になったはず、Siriに聞いたが「わからん」と言われた!
また、可変ピッチプロペラの装備(雷撃機には初採用)、油圧式フラップをダイブブレーキとして利用する機構の付与など、「ソードフィッシュ」に比べ、先進的な機体になっていた。
2機製作された試作機は、1938年12月12日に初飛行し、機体の愛称は「アルバコア
(Fairey Albacore)」と名付けられた。
「アルバコア」とは、『ビンナガ(ビンナガマグロ/ビンチョウマグロ)』や、『アップルコア (Applecore)=リンゴの芯』という意味がある。
◆初期型と後期型の違いがイマイチ分からん
1939年から、「ブリストル社製トーラスⅡエンジン」を搭載した初期型の生産が始まり98機が製作されたが、エンジンの出力不足が指摘された。
そのため、以降は出力を高めた「トーラス XII」を搭載した機体の生産に移行させ、1943年まで生産活動は続けられたが、初期型と後期型の違いはエンジン換装程度で、ほとんど差異は見られない。
◆「ソードフィッシュ」が好評で「アルバコア」は不評?
そう言えば、偉い人には分からんと言われたような・・偉くなったから分からんというのか・・?
「アルバコア」を最初に受領した部隊は、イギリス海軍の第826FAA飛行隊だった。この部隊は1940年3月に創隊され、フランス北部沿岸の港湾とイギリス海峡を航行するドイツ船舶攻撃や、空母(艦隊)航空隊として哨戒任務に従事した。
1941年9月になると「アルバコア」を受領したイギリス海軍FAA飛行隊は15個飛行隊にのぼり、マタパン岬沖海戦、エル・アラメイン、シチリア島上陸、サレルノ上陸の作戦支援に参加した。
特に、マルタ島を拠点にしたイギリス海軍の第828FAA飛行隊はイタリアの輸送船団とシシリー島沿岸の軍事施設の攻撃に「アルバコア」を投入して名を馳せた。部隊は1941年9月から1943年6月末まで「アルバコア」を運用した。
1941年12月には、シンガポールのイギリス空軍第36飛行隊が、損耗した「ヴィッカース ヴィルデビースト雷撃機」を補填する形で受領した。
しかし、「ソードフィッシュ」の運動性能や操縦性に慣れていた乗員は、それらが劣っていた「アルバコア」を好まなかった。
1943年にはいり、「アルバコア」は「バラクーダ」へ機種変更が進み、1944年前半に最後の部隊だった第841飛行隊が解隊されて「ソードフィッシュ」より早く「アルバコ」は退役してしまった。
その一方で、「ソードフィッシュ」で編成された9個飛行隊のうち最後の部隊であった第836飛行 中隊が解隊されたのは1945年5月21日のことだった。
ほかにも「アルバコア」は、カナダ空軍(RCAF)がノルマンディー上陸作戦中に使用した経歴を持つ。
●スペック
乗員: 3名
全長: 12.1m
全高:4.6m
翼幅:15.2m
空虚重量:3,295kg
全備重量:4,755kg
エンジン:ブリストル トーラス XII 14気筒スリーブバルブ(1,130 hp)× 1
最高速度:259 km/h
航続距離:1,497km
上昇限界高度:6,310m
武装:7.7mm機関銃(右翼)×1、ヴィッカーズ K 機関銃(背面)×2、魚雷(760kg)、 900 kg (2,000 lb) 爆弾
総生産数:800機

