1946年11月11日 ダニエル=ラステルの操縦でフランス初のジェット機である「シュドウェスト SO.6000 トライトン(SNCASO SO.6000 Triton)」が初飛行を行い、ジェット機時代の幕開けを告げた。


 『シュド・ウエスト社』はフランスの航空機メーカーの1つ。

 正式名称は『Société Nationale de Constructions Aéronautiques du Sud Ouest(南西航空機製造公社)』で、その頭文字をとって 『SNCASO』とも呼ばれていた。


 創業は、1936年の航空機製造会社国営化及び各地に分散する企業の統合政策で、『ロシュフォール工場(リオレ・エ・オリビエ)』、『ブレリオ』、『マルセル・ブロック』、『SASO (Société Aéronautique du Sud-Ouest)』、『UCA (Usine de Construction Aéronautique)』、『SAB(Société Aérienne Bordelaise)』の6つを統合したのが始まりのきっかけとなり、1940年に『SNCAO (Société nationale des constructions aéronautiques de l'ouest(西部航空機製造公社) 』を吸収したことで、『シュド・ウェスト社』は本格的な操業に入ることになった。


 こうした統合を繰り返したためか、先進的な取り組みに長けており、フランス初のジェット機「シュドウェスト SO.6000 トライトン」や翼端噴流式ヘリコプター「シュド・ウエスト SO.1221」を開発した。


 特筆すべき点は、1957年3月『シュド・エスト(Société Nationale de Constructions Aéronautiques du Sud Est(南東航空機製造公社)略してSNCASE』と合併し、『シュド・アビアシオン』に社名を変更した後、1960年から超音速旅客機「シュペル・カラベル」の設計を開始したことである。 


 この計画で開発コストが膨らみ計画は頓挫すると思われたが、1962年11月にイギリスのBACと開発共同事業部をたちあげ、超音速旅客機「コンコルド」を開発し、路線を就航させるとその最速の旅客サービスに世界から大きな注目を集めることとなった。


 1970年には『ノール・アビアシオン(Nord-Aviation(北方航空事業)』と合併した後『アエロスパシアル』に社名を変更。 


 こうして航空機分野において確実に業績を伸ばすと、ついには民間航空機設計・製造・販売部門、軍事部門、宇宙部門、ヘリコプター部門でトップシェアを誇る『エアバス社』をブリティッシュ・エアロスペースとDASAと共同で設立した。


そして、 2000年7月10日にはドイツのDASAとスペインのCASAを傘下にいれ、共同会社EADS(EADSはエアバスの親会社)となった。

フランス初のジェット機である「シュドウェスト SO.6000 トライトン」は、現在の『エアバス社』の基礎を築いた機体とも言えよう。 


 まだフランスがナチス・ドイツ占領下にあった1943年、秘密裏にルーシェ=サルバンティを開発主任にしたチームが設計を始め、終戦後フランス政府から試作機5機の発注を受けた。 

機体は複座型で、当初は自国開発の「Rateau-Anxionnaz GTS-65ジェットエンジン」を計画するも断念し、試作1号機と試作2号機はドイツ製の「ユンカース ユモ 004-B2エンジン」を搭載して地上試験や飛行試験に臨んだ。 


 そして、試作3号機から5号機にライセンス生産の「ロールス・ロイス・ニーンエンジン」が搭載されて試験は続けられたが、制式採用されることはなかった。


 ●スペック 

全長:10.41m 

全幅:9.16m 

全高:3.12m 

翼面積:14㎡ 

最高速度:955 km/h

巡航速度:860 km/h