訪問医療の先生に電話をして
脈も分からない
心臓の音も分からない
もう息をしてないかもしれない
たぶん死んじゃったと思います
死亡確認に
来てくれるようにお願いした
こんな時でも冷静な部分もあり
これから何をしなきゃならないのか・・・
遺影の写真
仏間・床の間を片付け敷布団を敷く
葬儀屋に連絡
坊さんに連絡
団子を丸めて
親戚・地区の契約さんに連絡
仏壇を閉めなくてはならないので
半紙を出して
テーブルを出して
湯呑を出して
御茶菓子も用意しなきゃならない
家族・叔母さんたちに朝御飯を食べさせて
お風呂にも入りたい
父と叔母たちに
遺影の写真を選ぶようお願いした
叔母さんたちが選んだ写真は
叔母の娘と祖母が2人で写っている写真だった
・・・なんか面白くない
なんで何もしなかった
いとこの姉ちゃんと一緒に写ってる写真なんだよ
まったくと言って・・・面白くない
夏は祖母の83歳の誕生日に
夏の作った御馳走の前で夏が撮った写真を探した
あの写真 良い写真だったんだよ・・・
沢山ある写真の中から
その写真を見つけた
だけど却下された
表には出さなかったけど
夏の心の中は大不機嫌
でもふてくされてる場合ではない
その後
訪問医療の先生と看護師が来てくれた
日付を跨いだ2時35分
死亡が確認された
翌朝
お風呂に入り
家族と叔母たちに朝食を食べさせ
葬儀屋に電話
病院ではなく家で看取ったので
祖母を母屋に運んで欲しいとお願いした
部屋を片付け
敷布団を敷き
半紙と画鋲を出し
湯呑を出し
御茶菓子を買いに行き
人を呼べる準備をし
近い親戚に電話をし
坊さんに電話をし
父に地区の契約さんの家に向かわせた
この地区は契約さんが
各班の班長に連絡をして
班長さんが各家に連絡をしてくれる
そして
夏は団子を丸め蒸かした
夏すげぇ--
完璧
祖母を葬儀屋の方と共に
父と旦那と夏で運び
葬儀の日程を決め
坊さんに拝んでもらった
近所の方が集まってくれるまで
時間があったので
父と祖母の庭に咲いている
桜の花などを切り
花器に生けてるところに
何の音?!なんか聞こえるよね?!
ビックリするぐらいの人数の
近所の人たちの話声だった
こんなに来てくれるんだ…
ビックリした
夏ちゃん大丈夫か?
頑張ったな
なかなか出来ない事だ
おめぇは偉いよ
その言葉で泣きそうになった
日曜日という事もあり
一軒の家から
数名で来てくれて
30個出しといた湯呑は
全く足りず
出した湯呑が
どれがどの人の湯呑かも分からなくなり
お茶を出すのを諦めた
みんなが優しい言葉を掛けてくれて
でもそれは夏がずっと頑張ってたのを
知ってくれてる人たちで
頑張った頑張ったって言って貰えて
ばあちゃん最高に幸せだったなって
言ってもらえて
また泣きそうになった
そしてその午後に
葬儀屋と共に
父と死装束を着た祖母の
旅支度をした
棺に入った祖母は
今まで見た事ない奇麗さだった
何をどうしたら
あれがこんな奇麗になるのか不思議
夏「おかまのダンサーみたい」って言っちゃったよ
そして1度家に帰った叔母さんが戻って来て
遺影の写真
夏ちゃんが撮った写真にしたいって言ってくれた
やっぱり夏ちゃんが撮った写真の方が
ばあちゃんらしいって
だからあの写真でお願いって
すごく嬉しかった
最後の方は叔母さんたちが来てくれてたけど
ずっと夏が1人で看てたんだもん
がっその写真は
おでこで切れてて
葬儀屋に違う写真を勧められた
だから葬儀屋に遺影にしたいその写真と
もう1枚しっかり髪が写っている写真を見せて
コレにコノ頭を乗っけてくれと言ったら
出来ないと言われた
出来ないもんかね・・・
だから言った
じゃぁ明日までに
自分で加工してみる
パソコンに取り入れて
合成して
最大に拡大して
チマチマ色を合わせて
一睡もせず完璧に加工できた
それを写真印刷して
叔母さんに見せたら
すっごく良い!って言って貰えた
それを葬儀屋に持って行くと
肌の色は少し白くしてもらって
照明の光で
おでこが少し光ってるのは取ってもらえるね
じゃぁこれで作るねって言ってくれた
良かった
次の日
お線香をあげに来てくれる人がいて
忙しい時に葬儀屋が
遺影になる小さいサイズの写真を持って来てくれ
これで良いですか?って言われた
えっ?!なにこれ!?
デコ広くない!?
カツラ被ってるみてぇじゃねっ?!
変だよね!?
叔母さんに見せた
お客さんで忙しく
「少し変だけど良いんじゃない?!」
そう言った
マジでこれで良いのか?!
良いのか・・・
良いんだったら
良いんだよね・・・
顔は白くしわもなくツルツルで
おでこは広げられ
真っ黒いやっすいカツラを被ってるような遺影
おばあちゃん
ごめんね(笑)
