「お前今日は泊まってく?」
「え?だめ?」
夕食を食べながら、浄華は何となく望に聞いてみた。
「いや、お前が泊まるの久しぶりだなーと思って」
あの一件以来、こんな風に二人で過ごすのは初めてだ。
「そういやそうだな。お前があんなことするから」
「・・・悪い」
「いや、そうじゃなくて・・・」
何となく空気が重くなる。
望は何とか空気を戻そうとしていた。
「だから、もう気にしてないって言ってんだろ!しつけーんだよ!」
「でも・・・」
「そりゃ恐かったし、なんか腰も痛くなったけど、いつまでも気にしてても仕方ねーし」
「ごめん。今度は優しくやるから」
「そーゆー問題じゃねえだろ!」
望は残ったパスタをかき集めて口に入れると、テーブルの上に突っ伏した。
「眠い・・・」
「またそれかよ」
「うるせー。しっかり生きてる証拠だ」
「分かった分かった。だったら風呂入ってもう寝ろよ。ベッドに寝ていいから」
浄華は皿をまとめて流し台に持っていく。
望は浄華を無表情で見つめていた。
「え・・・お前は?」
「え?ああ、俺はソファーで寝るから別にいいよ」
「・・・それでいいのか?」
「?ああ」
望は何故か寝る場所について何度も尋ねてくる。
望は、浄華がベッドで寝ていても普通に中に入ってくるような、遠慮のない性格だったので、浄華は不思議に思った。
(珍しく気ィ使ってんのか?)
何だか変な気がしたが、浄華は余計にベッドを勧めた。
「いいから、ベッド使え。俺のことは気にす・・・」
「そうかよ」
望は冷めた声でそうつぶやくと、浴室に入り、ドアをパタンと閉めた。
「・・・え?」
何だか望が不機嫌に見えたのは気のせいだろうか。
ベッドを譲ったのに、どうして不服そうなのか。
(何で怒るんだ・・・?)
浄華は理由が分からず、頭の中をぐるぐるさせて考えたが、理由は結局分からなかった。