「浄華、風呂ありがとー」
結局勉強を終えたのは夜中の12時で、今は12時30分。
明日は学校が休みだけれど、さすがにきつい。
「ホントごめんな。付き合わせちゃって」
「いいよ。・・・成果が出るならな」
望は痛いところを突かれたように苦笑する。
「はは・・・それ言われるとちょっとつらい」
「当たり前だ。次のテストで平均取れなかったら許さねーからな」
「えー、他の教科で補うから勘弁してくれよ」
「ダメ」
教科書を片付けていると、何か白い紙が床に落ちた。拾って見て、浄華は溜め息を吐いた。
100点満点中24点と書かれた学力調査の紙は、半分以上が白紙だ。
「お前、何でこんな白紙ばっかりなんだよ。白紙は何か書いて埋めとけっていつもいってんだろ。5点くらいの計算問題とかは部分点もあるしな」
「その何かも思いつかなかったんだからしょうがないだろ。てゆーかあんまりおかしい事書いたら恥ずかしいし」
「学力調査なんて、採点するのは学校の教員じゃないだろ。知らない人なんだから別に大丈夫」
今日の成果が出ますようにと、浄華は本気で願うのだった。
「望ー、お前はベッドで寝て・・・あれ?」
風呂から上がった浄華が望に話しかけても返事がない。
ソファーの方に目をやると、望はその上ですやすやと眠っていた。
よほど眠気と疲れが溜まっていたらしく、肩を揺すってみても起きる気配がない。
浄華は仕方なく、眠る望を抱き上げ、いつも自分が寝ているベッドに運んだ。
身長は170cmあるのに抱き上げると女の子並みに軽い。
貸してあげた長袖のシャツも長ズボンもブカブカで合っていない。
(小学生の頃は身長も体重も大して変わらなかったのになあ・・・)
中学生になった頃から身長差が開いていき、望を小さく感じるようになった気がする。
望の髪を指で梳き、指先で顔のラインを撫でてみても全く反応がない。
それが分かるといつものように───望の唇と自分の唇を重ね合わせた。
望の意識がない間にこんなことをする自分は本当に汚いと思うのに、どうしても衝動を抑えることが出来ない。
望は一体何人の女の子と唇を重ねたのだろう。そして何人の女の子と身体を重ねたのだろう。
「望・・・・・・!」
表では親友の顔を見せ、裏ではこんな気持ちを隠しているとは、絶対に知られるわけにはいかない。
ずっと望のそばにいるためには絶対に───。
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