もう一つ、作品をご紹介。

 

「椿姫」です。

 

 

 

 

めーっちゃくちゃ良かった!!

 

「マノン」が好きだから、っていうのもあるかもしれない。

逆に「マノン」知らずに見たら、意味分からないと思います。

 

というわけで、椿姫の魅力をご紹介すべく、マノンとの比較をしながらあらすじを紹介!(間違ってるかもしれませんが)

 

 

高級娼婦マルグリットは「マノン」を見て、自分と重ねます。

 

マノンはお金持ちとの結婚を捨てデグリューと恋に落ちます。

一方「椿姫」のマルグリットは高級娼婦でありながら、若き青年アルマンと恋に落ちます。

 

両者ともに「駆け落ち」のような状態。熱く盛り上がります。

 

ですが、マノンは少女、「椿姫」のマルグリットの方は大人の女性。

マノンは勉強中のデグリューに「かまって」とばかりに甘えますが、マルグリットの方はクールを装っているように私には見えました。アルマンがマルグリットに甘えている、という印象が強いです。

 

 

 

 

マノンの方は途中で貧乏暮らしが嫌になり、お金に目がくらんで、デグリューと別れます。

 

 

「椿姫」のマルグリットはそうはなるまい、とパトロンを振って純愛を貫こうとします。

しかし、アルマンの父に説得され、結局は身を引くことに。(自分の病気のこともあって?)

 

 

マノンのようになるまい、と思っていただろうマルグリットは結局はマノンと同じく愛を捨てることになりました。

ですが、この先が大きく違いました。

 

マノンの相手のデグリューはマノンと別れた後もマノンを想い続けますが、「椿姫」のアルマンは愛ゆえに裏切られた気持ちを怒りに変えています。

 

デグリューは失恋して山崎まさよしの「ワンモアタイム」を歌うタイプ。アルマンはスガシカオの「月とナイフ」を歌うタイプでしょうか。

 

しかし、アルマンが他の女といるところを見せつけたり、寝た後にお金を渡したりするのは、仕返しの意味もあるかもしれませんが、私は、本当に憎いからではなく、マルグリットの傷としてでも自分の存在をマルグリットの中に刻んでおきたいという歪んだ愛なのではないか、と思いました。

 

マノンの方は最後はデグリューの腕の中で死にましたが、「椿姫」のマルグリットは独りでした。

 

とても悲しい最後なのです。

ショパンがこの世界観とぴったりで、涙無くしては、見ることができません。

 

マノンは、天性の魔性の女で、マルグリットは高級娼婦だけど普通の女だったのではないでしょうか。

 

だからこそ、椿姫は心に刺さる。

 

マノンがデグリューに何も言わずに別れたのは、マノン自身のためでしかないように見えます。そこが魔性の女、って気がします。一方のマルグリットは、クールに振る舞っているけれど、アルマンのために別れ、アルマンに憎まれることも覚悟の上だったように見えます。

 

もはや母性に近いような愛、という感じ・・・。

 

全編通して、とにかく、美しい・・・

そしてマノンを活かしたこの構成も素晴らしく、世界観にどっぷり浸かることができます。衣裳替えも多く、衣裳を見ているだけでも楽しいくらいでした。(演じる方は大変そうですが)

 

「椿姫」めちゃくちゃオススメです!!そして、絶対に「マノン」を見てから見てほしい!!