一番楽しみにしていた正月用DVDのマノン。

 


オーレリ・デュポンの引退公演でした。

相手はロベルト・ボッレ。


マノン・・・大人っぽい作品とは思っていました。

なぜなら絢爛たるグランドセーヌで奏が「マノン踊ってみたい」と言って大人たちを絶句させてたからね。

 

いやー、確かに、子供向きではなさそう・・・

 

悪女だけど、女には理解できるしたたかさがマノンでしょうか。

だって、したたかさがなければ、レミゼラブルのフォンティーヌみたいになってしまう時代ではないでしょうか。

男に捨てられて、髪の毛と歯を売り、売春までしなくてはいけなくなった・・・。だったら、好きではない人でもお金持ちと結婚するという選択を「悪」とは言い切れない気がするんですよね・・・

日本だって、自由恋愛で結婚できるようになったのは近年のことなので、わりとマノンの選択は理解できる気がするのです。(私だけですか?)

 

でもマノンの悪いところは、デグリューとちゃんと別れなかった、ってことだと思うんです!

きちんと話して別れていれば、デグリューも別の人と幸せになるチャンスがあったのに、それをせずに消えてしまったら、確かに男としては未練タラタラよね滝汗

 

ほら「あなたのこと、嫌いになったわけじゃないのよ」っていう別れ言葉、あれ、超絶残酷だと思うもん・・・。喧嘩別れする方が結果的にお互いスッキリだもん。相手を振ってあげるのが、本当にいい女の最後の仕事だと思うもん。

 

そういう意味で、マノンは「悪女」ということかもしれませんね。

 

バレエの怖いのって、見てるときは上記のような気持ちはなくて、どっぷり世界観に入ってしまって、最後は号泣してしまいました。マノンかわいそう!看守最低!最後はデグリューの愛に包まれて・・・としか思えなかった。

 

それもひとえに素晴らしい舞台だから・・・もう・・・素晴らしい踊り・・・心が震えました・・・

 

オーレリ・デュポンがなぜこの演目を引退公演に選んだんだろう、と考えてしまいました。

バレリーナ人生の最後、バレリーナっぽい恰好で拍手を浴びたくはなかったのか。



散切り頭に汚い服で終わることよりも、愛されて最後まで人を魅了し続けたマノンを選んだ、ということだろうか。

見た後も色々考えてしまうような、パワーある作品でした。

 

しかし、バレエ作品で血のりを初めて見たので、びっくり!!

かけよっていくマノンが衣裳、汚さないか無駄に冷や冷やしちゃった・・・。

 

バレエDVD鑑賞、ザハロワから始まって、どんどん魅力的なダンサーを知っていくのでやはりエンドレス・・・