天使の羽根ランとは?

プロアスリートのように肉体を鍛えていない市民ランナーが、
①肩甲骨(天使の羽根)をよく動かし、
②身体を前傾させ
③斜め上から頭頂を引っぱりあげる
という3つの動きを習得し、定着させることで、
故障なく速く走れるようになる走り方です。

【本気勝負は3か月に1回】

みなさんの秋冬のレースの予定はいかがですか?
明日はつくば、明後日は大田原、福知山などと、毎週末のように大きな大会がありますね。
ちなみに私は11~3月、毎月フルマラソンが入っています。
出場しすぎで悪い見本です(笑)

ただし、実は本気勝負は、勝田全国マラソンのみで、あとはファンランや伴走の予定です。

なぜ毎回、本気勝負で臨まないのか?
本気勝負をすると、どんな一流選手でも、良い記録を出すために必須な、テストステロン(男性ホルモン)の値が大きく下がり、体力・気力・免疫力もダウンし、それらの回復までには3か月くらいかかるためです。
(参考文献『ランニングのススメ』奥井識仁氏著 ベースボールマガジン社)




【潔くファンランに】

私自身、以前は、全大会に本気で挑戦していました。
高いエントリー料を払うのだから、全力を出せなくてはもったいないという心理です。そして自身の身体は過酷な状況にもきっと耐えられるという楽観的な見通しを持っていました。しかし意欲はあっても、体はついてこず、結果はよくなく、かえってけがばかりしていました。

その苦い経験と、誰でもリカバリに3か月間かかる人間の身体特性から、下記のことを心がけるようになりました。

①本気勝負大会も、コンデションがよくなく、目標達成ができない見通しなら、思い切って制限時間いっぱい使って走るファンラン、疲労抜きランに切り替える。

セカンドベスト、サードベストを追い求めない。なぜならそのハードなペースのダメージはその後3か月間残るから。

③本気勝負時のランウエアでファンランをするのは恥ずかしいので、ちょっとした仮装をしてみる。

③をすると、思った以上に、沿道からの声援をたくさん受けられて、また身体も楽で、楽しい時間を過ごすことができることにも気がつきました。


【速めの距離走練習に切り替えも】
調子がよくないときにおすすめなのが、ファンランなのですが、そこまで割り切ることはさすがにしっくり来ない方も多いかと思います。
そのときには、大会を距離走練習として活用することも一つの方法です。
例えば、10km、ハーフ、30kmの自己ベストを目指して走り、あとは流すとか途中でやめるとか。たとえ途中でやめたとしても、自分越えができたことは大きな自信になり、次へとつながります。


【なぜたくさん大会に出たくなる?】
よりハードな目標に挑戦したいという根源的な欲求のためかもしれません。年を重ねると記録更新の可能性が低くなるので早く自己ベストを出したいという焦りからなのかもしれません。または、ランすることが一種の嗜好物のようになっていて、お酒やたばこの量・質が次第に増えていくように、刺激を求める回路に入っているのかもです。

しかし、どのような一流ランナーでも、リカバリに3か月間かかることは変わらないのですから、たくさん大会に出て本気勝負をしたいということはある意味自虐的と言えると思います。

ランの世界では「変態」という言葉は、鉄人や超人を意味しています。かつて、私は「変態」と呼ばれて悦に入っていました。ですが、実は身体には大きな負荷となっています。だから記録が停滞していたのだと思います。


【疲れの自覚は意外と難しい】

マギー塾生の方の練習メニューの作成をするときによく驚くのは、皆さんが入れている勝負大会もしくは準勝負大会(ファンランではなく、本気に近いペースで走る~勝負大会より目安としてkm30~40秒以内遅めに走る大会)の多さです。

春、秋、冬は、1か月に3回はざらで、中には、2~3週連続でフルマラソンを入れられている方もいらっしゃいます。しかしそれだけ大会を入れてしまうと、本来行うべきパフォーマンスを上げるための練習メニューを組み立てることが難しく、結果として目標達成の可能性も低くなってしまうのです。

常に疲労がたまった状態で練習をすることになるので、自己ベストを出すことが難しいのです。身体からのサインを見逃して、疲れていることに気づいていない方がとても多いのが現実です。
例えば、サブ3.5を目指している方が、サブ4くらいで前の週にフルマラソンを完走するとダメージが抜けない状態で本気勝負大会に臨むことになります。そうすると目標達成の可能性は極めて低くなります。

せめて出場大会数を半減すれば、故障も治り、すぐに目標達成できる方も多いのになと思うことがよくあります。
いざレースに出ると、ファンランのつもりでもどうしても速いペースになってしまうからです。故障ばかりしていたかつての私のようになってほしくないなと考えて提言もするのですが、「大会に出て速く走る快感を味わうこと」(非日常体験)の魅力は実に大きいようで、なかなか行動を変えていただくことは難しいです。


次回は、天使の羽根ラン流 けがをしない練習メニューの組み立て方編です。一押しの本も数冊ご紹介します。

【今回のワンアクション】
本気勝負大会は秋・冬1回ずつにする。

※いつにも増して長文失礼します。

【初フル6名全員完走】

勤務先の岡山マラソンコーチとして、約2か月間、「天使の羽根ラン」練習会の開催、練習メニューの提示、直前のアドバイスなどを行いました。

そして当日は、6名の初フルマラソンの方々と同時にスタート。
6時間制限の下、見事全員が完走を果たされました。(全体完走率89%)

みなさん、ランニング経験はほぼない状態でした。

完走できたのは、

ご本人の「絶対に完走するぞ! 」という強い意志(ここが一番だと思います)

②ご本人の努力で、段階的に走る距離を増やし、ほぼ全員の方が30km走までできるようになっていた。
~30kmを本番ペースより少しゆったりめで走り切れば高い確率でフルマラソンは完走できます。

③特に直前に走りすぎない練習メニュー&天使の羽根ランのランフォーム
~本当に完走できるか?という不安から直前でもロング走などをしてしまいがちです。30kmクリアできているので、直前は疲労抜きを強くお勧めしました。

の3つが主な要因かなと私は考えています。





【Aさん伴走記】

今回は、一緒にスタートした6名の方の内、右ひざを痛めたため、事前に25km走(km7分30秒)までしかできていなかったAさんの様子をレポートします。
私はゴールまでAさんの伴走を務めました。

レース前に、ひざを故障しているので、直前10日くらいは、負荷がかかる練習はしないように提案し、また本番ではひざ専用のサポータをつけることもおすすめしました。CW‐Xなどのタイツだけではひざ固定の機能が弱いためです。


【中盤あえてペースダウン作戦】

Aさんと相談しながら立てた作戦は

1)スタートでの遅れを考慮すると、第1関門(4.6km)、第2関門(9km)にかかるおそれがあるので、最初は早目に。

2)第2関門を越えたら楽なペースに落とす。無理のないペースで。km8分くらいになってもOK。

3)苦しくなって体が動かなくなったら、それまで稼いだ貯金をふまえて、歩かない程度のペースに落として粘り切る。
でした。

1)はコース特性上やむなしの作戦。
2)が一番のポイントです。たいていのかたは、第二関門を越えても早目のペースのまま走ってしまいます。
本番で興奮しているためか、「今日は練習よりもかなり調子がいい。このまま行けるはず」と思い込んでしまうためです。
でもそうすると必ず後半足が止まり、大きくペースダウンします。
「練習以上の成果は出ないのがフルマラソンのシビアさ」だと思います。
3)は作戦というよりも根性の話でしょうかね。。。


【滑り出しは順調】

以下、5kmごとのタイムとともに推移を説明します。

スタート
タイム(スプリット) 00:07:06
タイム(ラップ) 
通過時刻 08:52:06

15000名規模なので、最悪20分。最低でも10分くらいはスタートラインを超えるまでかかると思っていたが、約7分と意外とスムーズ。四車線スタートはいい。

・・・・・・

5K
タイム(スプリット) 00:43:43
タイム(ラップ) 0:36:37
通過時刻 09:28:43

平均km6分55秒くらい。
駅前で会社の大応援団の声援を受けた。
意気上がりkm6分ペースに上がったため、ブレーキングしてペースを抑える。

・・・・・・

10K

タイム(スプリット) 01:17:32
タイム(ラップ) 0:33:49
通過時刻 10:02:32

9kmの関門が気になるのでやや早めのペース。
今回最速ラップ。平均km6分34秒くらい。
ひざも痛まず、まだ余力があったが、徐々に、あえてペースを落とし始めた。
後半、未知の距離である25km以降に足が突然止まる不安があったため。

・・・・・・

15K

タイム(スプリット) 01:53:27
タイム(ラップ) 0:35:55
通過時刻 10:38:27

km7分10秒ペースと、前の5kmよりkmあたり36秒ゆっくりに。
km7分30秒なら楽に走れるという方なので
もう少し落としていこうと相談。

・・・・・・

20K

タイム(スプリット) 02:30:57
タイム(ラップ) 0:37:30
通過時刻 11:15:57

意図的なペースダウン。
km7分30秒と理想的。
後半に足を残す意図。

ここで朝食ゼリー3個のみと聞いたので、エイドの給食を多めに食べることをおすすめ。

そして「20kmからスタートと考えましょう。30kmが折り返しです。」と呼びかけ。
給水のたびに爆弾を抱えた右ひざに水をかけてもらった。
アイシング(冷やす)ことは痛み予防にも非常に効果がある。

・・・・・・

21.0975K 

タイム(スプリット) 02:38:49
タイム(ラップ) 
通過時刻 11:23:49

ほぼネットタイム※5時間で完走できるペースでハーフを通過。
※号砲からではなく本人がスタートラインを越えてからゴールまでのタイム。号砲からのタイムはグロスタイムでこれが正式タイム。



【25kmから未知の距離との格闘】

25K
タイム(スプリット) 03:07:38
タイム(ラップ) 0:36:41
通過時刻 11:52:38

ややペース上がる。
「まだ20kmのスタートから1km通過。2km通過ですよ。」と声かけ。
km7分20秒
25km以降は未知の距離なので、もう少しペースダウンしましょうと話す。

・・・・・・

30K

タイム(スプリット) 03:45:40
タイム(ラップ) 0:38:02
通過時刻 12:30:40

25kmからは未知の領域に突入。
1km先を目標にと声がけ。
「自己最長を1km更新しました、2km更新しましたね」と1kmごとに声かけ。

また「前に進みにくくなったら前傾しましょう。いざとなったら肘鉄ブースター」と呼びかけた。
粘り切れた。
km7分36秒
おなかが空かれていたようでエイドできび団子かかえこみ(笑)

ひざの痛みはほぼないとのことだったが、疲労がたまっていると考え、右ひざにかける水の量をコップ2杯分にすることをおすすめ。

・・・・・・

35K

タイム(スプリット) 04:24:00
タイム(ラップ) 0:38:20
通過時刻 13:09:00

かなりつらくなってきた様子。
km7分40秒
33km過ぎからは呼吸もきつくなってきたとのこと。
ペースを落とすようにお伝えし、「前傾せずに、苦しくない程度のペースにしましょう」と声かけ。


【35km~40kmの壁】

40K
タイム(スプリット) 05:09:17
タイム(ラップ) 0:45:17
通過時刻 13:54:17

苦しさのピーク
km9分3秒。でも歩かない。
皇居8周目。
「今、半蔵門まで来ました。桜田門まで来ました。皇居前広場の交番まで来ました。」
などと呼びかけ。

ひざにかける水の量さらに増やし、とうとう3杯分に。

・・・・・・

Finish

タイム(スプリット) 05:28:14
タイム(ラップ) 0:18:57
通過時刻 14:13:14

km9分弱
ゴールを間近にして気合いを入れられた。
鉛のようになった足を必死で前に運ばれる。

そして感動のゴール。。。

レース終盤38km地点で、「今日は絶対に歩かないという目標を持っていたので、それが達成できそうでうれしい」とAさんは言われていました。
そういう強いお気持ちがあってこその完走なのだなと感じました。


【Aさんからのメッセージ】

後日、Aさんからいただいたメッセージです。
(ご本人の許可をいただいて掲載します。)

・・・・・・・・・・・
「先日の岡山マラソンで完走まで導いて下さり本当に有難うございました。練習プランから、当日の伴走まで、大島さんのアドバイスがなければ
完走はなかったと思っています。本当に有難うございました。

今回のフルマラソンは自分の人生にとっても非常に貴重な経験となりましたし、自分に自信がつきました。
また、チャレンジしたいと思います!」
・・・・・・・・・・・


次回は、天使の羽根ラン流 目標達成のためのレースへの臨み方のコツについてアップします。


【今回のワンアクション】
中盤あえてペースダウンする!

天使の羽根ランとは?

プロアスリートのように肉体を鍛えていない市民ランナーが、
①肩甲骨(天使の羽根)をよく動かし、
②身体を前傾させ
③斜め上から頭頂を引っぱりあげる
という3つの動きを習得し、定着させることで、
故障なく速く走れるようになる走り方です。

今回は、レースで使える実践編です。
金沢マラソン、さいたま国際、神戸、つくば、大田原などでよろしければぜひ使ってみてください。

フルマラソンの30km以降、ハーフでは17km以降くらいから脚が重くなってきてペースダウンしてくることが多いと思います。
そのようなときには次の2つがおすすめです。


【ひじ鉄ブースター発動!】


腕ふりはよく後ろに強めに引くことが大事だと言われます。
たしかにそうなのですが、ペースダウンしているときには、脳も疲れていて、「腕ふり後ろに強く」くらいの言葉ではなかなか思いだすことができません。
そこで、「ひじ鉄ブースター発動!」と言って、ひじ鉄をするくらい強く後ろに腕を引いてみてください。
「ひじ鉄」という言葉にインパクトがあるので、脳が疲労した状態でも思いだしやすいです。

(1)わきを軽くしめる。

(2)腕を直角に曲げる。

(3)そのまま「ひじ鉄」を食らわす気持ちで後ろに強く腕を引く。
このとき後ろの人が、これは痛そうだなと思うくらいの強さであることが重要です。身体は反動で前に進みます。心の中で「ひじ鉄ブースター発動」と言ってみるのも、気合も入るのでおすすめです。

(4)前への腕ふりは力を抜いて自然に戻る感じで。力を入れるのは後ろへの腕ふりのときだけです。

(5)ペースがもとに戻る、または許容ラインになったときには、元のリラックスした腕ふりに戻します。ペースダウンしたら、また発動します。


実際にレースで使われた方のコメントです。

「ラスト7kmほどで頭に浮かんだのは切り札肘鉄ブースターで、きつくなってからも何とか乗り切りました(*^^*)」
(2015富山マラソン サブ3.15で自己ベスト達成 男性)

上り坂での肘鉄ブースターも有効ですよね。私も富山マラソンで新湊大橋を上がる時は肘鉄ブースター使いましたよ!」
(2015富山マラソン サブ3.5で自己ベスト達成 男性)



【とにかく前傾】

疲れてくると、身体が立ってきます。
人によってはやや後傾気味になる方もいらっしゃいます。

このとき無理やり上半身を前に倒すと、まだ前に進みます。のぼりの場合にはとくに効果があります。
ただし、心肺が苦しい場合には、スピードを上げることは危険なので、前傾はせずスピードを落とすなどして呼吸を落ち着かせるようにしましょう。またふくらはぎなどが痙攣しているときも、スピードをゆるめることが大事です。

実践された方のコメントです。(女性)
「前傾すると、心肺が苦しくなるって言ったけど、それは元気なときの話。苦しくて足が出ないときは、前傾。
もともと苦しいから、前傾したことで心肺に負担がかかるということはなくて、前傾することで足が前に出ました。
そして、上に引っ張られることも意識すると、腰が楽になりました。」


次回は、
11月8日の第1回岡山マラソンで、「天使の羽根ラン」で初フルマラソンに挑戦された方のサポートをしたときのレポート編です。
25kmが最長距離で、しかも右ひざを痛めていた方がどうやって見事完走を果たされたかをお伝えします。


【今回のワンアクション】
ペースダウンしてきたら「ひじ鉄ブースター発動!」

今回は Q&A編です。

天使の羽根ランとは?
プロアスリートのように肉体を鍛えていない市民ランナーが、
①肩甲骨(天使の羽根)をよく動かし、
②身体を前傾させ
③斜め上から頭頂を引っぱりあげる
という3つの動きを習得し、定着させることで、
故障なく速く走れるようになる走り方です。

ひごろ行っている天使の羽根ラン講座で最もよく寄せられる3つのご質問に回答します。
(ほかにご質問がある方はこの記事にコメント頂ければ個別に回答いたします。)




【前傾で走ると息が上がって苦しい!】

「Q:身体を前傾させてロードを走ると、力を使わなくても自然と速く走れるのですが、息が上がって苦しくなってイヤになってしまいます。どうしたらよいのですか?」

A:心肺能力がスピードに比してまだ低いために起こります。
 次の3つをおすすめします。

 1)走りながら、手を後ろに組み、肩甲骨をぐっと寄せる。
   胸(胸郭)が開くので呼吸が楽になります。



 2)
前傾の角度を、息が上がらない程度に抑えて走る。
   第3回で取り上げた芝生や土の上での前傾練習は続けます。


 3)心肺能力を高める。

 <ビギナーの方にお勧めの方法>
 ・階段や坂道を少しハアハアする程度の速さでのぼるトレーニングをする。
 ・山道を少し息が上がる程度でのぼり、下りも早歩きをする。

 <中級者以上(フルマラソンサブ4目標以上)>
 ビギナー向け練習に加えて
 ・インターバルトレーニングを週に1回行う。400mを80%の力で走った後に200mをリラックスして走るを5~10回繰り返す。

 3)を行っていくと、着実にリラックスした状態で、息が上がらず楽に走れるようになってきます。



【前傾走りで太もも前面が張るようになった!】

「Q:前傾走りを心がけていると太もも前面が張ってしまうことが多いです。どうしたらよいのですか?」

A:ラン直後以外の時間で、太もも前面を伸ばすストレッチを頻繁に行ってみてください。
 ポイントは、
 ・立ってではなく、座ったり、寝転んで行うこと。
 ・30秒以上伸ばすこと。
 です。
 ストレッチの方法を知りたい方は下記を参照ください。
(動画)

なお、「ポイント③斜め上から頭頂を引っぱりあげる」感覚が身についてくると、太もも前面は張らなくなってきます。



【肩甲骨の間がローリングする感覚がわからない!】

「Q:天使の羽根のはばたき=肩甲骨の間をローリングさせるという感覚がよくわからないです。どうやったらわかるようになるのでしょうか?」

A:ローリングするように感じられるようになるのは少し時間がかかります。
 次のステップでレベルアップすることをお勧めします。

 1)手を後ろに組んで後方に引っ張り、ぐっと左右の肩甲骨を引き寄せ、肩甲骨の間を意識する。

 2)肩甲骨の間から「天使の羽根」が生えて、はばたくイメージングをする。
 
 3)2)のはばたくイメージングをしたまま、ランニングする。

 肩甲骨ストレッチを頻繁に行い、肩甲骨がよく動くようになったうえで、上記の1)~3)のことを実践していけば、着実にローリングする感覚がわかるようになってきます。

 前傾に加えて、天使の羽根のはばたきができるようになると、さらに楽に速く走れるようになります。



次回は、フルマラソンシーズン本番なので、
レース本番ですぐに使える「天使の羽根ラン」実践編の解説をしたいと思います。


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【スキーのジャンプで飛び立つように】

天使の羽根ランとは?
プロアスリートのように肉体を鍛えていない市民ランナーが、
①肩甲骨(天使の羽根)をよく動かし、
②身体を前傾させ
③斜め上から頭頂を引っぱりあげる
という3つの動きを習得し、定着させることで、
故障なく速く走れるようになる走り方です。
今回は、③について取り上げます。


実は、前回お伝えした「②身体の前傾」には要注意な点があります。
前傾で走ると、ふとももの前面などの負荷が大きく、疲労しやすいのです。
この点をクリアするために、③斜め上から頭頂を引っぱりあげるということが重要となります。

(前方)斜め上から頭頂を引っぱりあげるのは、3つの動きの中で一番修得が難しいですが、修得できると、実に軽やかな、まるで動く歩道の上をスムーズに移動するような走りにつながりますので、ぜひ練習されてみてください。

修得のためのワークは2つです。

ひとつめは、スキーのジャンプで飛び立つような練習です。

1)まっすぐに立ちます。
2)ジャンプで飛び立つ瞬間をイメージして、身体を前方斜め上に引き上げます。
3)引き上げた瞬間、つま先だちになります。
この動きを10回繰り返します。

斜め上から頭頂を引っぱりあげるというのは、まさにこの感覚です。


【階段はおしりでのぼる】

もうひとつは、階段をおしりを使ってのぼる練習です。
おしりを使ってのぼると、(前方)斜め上にひっぱられるという感覚が身につきやすいです。



普段は主にふくらはぎを使ってのぼっている方が多いかと思います。
実はふくらはぎは小さめな筋肉なので、疲労しやすいのです。
そこで、より大きな筋肉であるおしり(大臀筋、中臀筋)を使います。

階段のぼりの前に、まずは、立った状態で基本的な動き方を覚えます。
1)まっすぐに立った状態で、右のおしりを「くいっ」と引き上げます。そうすると自然とかかとが上がります。

2)右足を下ろして、今度は左のおしりを「くいっ」と引き上げます。
これを10回繰り返します。


続いて階段の前に立ちます。
1)両手を両方のおしりの少し上あたり(中臀筋)にあてます。

2)少し腰を入れる感じで手を当てた右のおしり上部分を斜め上に「くいっ」とひっぱりあげ、右足を階段の1段目に置きます。
このときふくらはぎはできるだけ使わないようにしてください。右足をソフトに階段に下ろす感じです。

3)左のおしり上部分を斜め上に「くいっ」ひっぱりあげ、左足を階段の2段目に置きます。同じように、左足をソフトに階段に下ろします。
この動きを繰り返します。

「くいっくいっ」とおしりを上げながらのぼります。

ほかのかたに見られるとちょっと恥ずかしいと思いますので、はじめは、あまり人が来ないビルの内階段や、ご自宅の階段などで練習することをおすすめします。

日々実践していると、ほぼ全員の方が「階段ののぼりが非常に楽になった」と言われるほど、すぐ変化を感じやすい練習です。
ぜひ続けてみてください。


【スキーのジャンプで飛び立つように】【階段はおしりでのぼる】のワークで、③(前方)斜め上から頭頂を引っぱりあげる感覚が着実に身についていきます。


次回は、ご質問への回答編です。

天使の羽根ラン
①肩甲骨(天使の羽根)をよく動かし、
②身体を前傾させ
③斜め上から頭頂を引っぱりあげる
を修得する過程で、
多くの方からご質問を頂くことについて解説したいと思います。


【今回のワンアクション】
階段を「くいっくいっ」とおしりを上げながらのぼってみる。