木曜日である。
早起きした。
いつもシャワーを浴びた後にお風呂掃除をサラッとするのだが、今日はちょっと念入りにやってみた。

気持ちの中に残っているむずむずを拭(ぬぐ)いたかったんだな。
でも、いまいち引っかかっている。
なので、ここに書くことにした。

愚痴は書かない…
そう決めているのに。
うーん。

じゃ、こうしよう。
以前、宅急便のお兄さんの事を書いたように、
「生まれて初めてシリーズ」
ってことにする。

人生の中で、そうそうあるわけじゃない…
滅多に味合わないビックリしたこと…
こんなの生まれて初めてだよ!!!
的な愚痴は例外として書く!

なんたって、アタシがルールだもん。
そういうことにさせて。笑
こうやって書き始めたら、気持ちの30%はスッキリしてきたから不思議だ。
人間って単純だ。

先日の法事の際のこと。
駅について、お寺さんまでタクシーに乗ろうとした時のことである。

「あのー近くて申し訳ないんですけど…
〇〇寺までお願いします!」
そう言いながら、2人でタクシーに乗り込んだ。

すると、運転手さんはこう言った。
「え?ここから近いよ。歩いて行けるよ。」
「へ?そうなんですか?」
「5分ぐらいでいけるよ。」

そう言ったっきり、ドアを閉めてくれない。
いやいやいや。
アタシ、そのお寺には何度か行ったことあるけど、車で5分はかかったはず。
だから、近くて申し訳ないけど、歩いて5分で行ける距離ではないと…認識していた。
でも、地元の人に言われちゃうと弱い。

「あーーー。そ、そうなんですか。
でも、雨降ってるし、荷物もあるんで…
(ヒールも既に痛いし…)」

運転手さん、未だドアを閉めず。
もちろん発車する気配もない。

「そこの交差点を右に行けばすぐだよ。」
(えぇぇーーー!うそだよー!
さっき駅の地図で見たけど、そんな「すぐ」の場所じゃないよー!)

心の中で叫んだけど声には出せない。
こういう時、みんみは冷静。
黙って静観している。

(ああああああーーーー!!
もう、いい!!)

「わかりました。降ります。」

そして、アタシの中のブラックエンジェルが呟いた。

「乗車拒否かよ。」

ちゃんと声に出した。笑
でも、ちっちゃい声で。
ただ、運転手さんには聞こえるように。

アタシってなんてせこいの。
呟いたはいいけど、降りてからパニクった。
時間はまだあるけど、道わかんないもーん!

「どうしよ?どっちだ?」
と、キョロキョロするアタシに、若干キレ気味にみんみが言った。
「地図で調べなきゃ。」
「あ、はい!」

「徒歩12分って出たよ。5分じゃないよ。」
みんみは静かに言った。
「だーよーねー!!」
↑↑↑ダメダメ母。

そんな時、さっきのタクシーにお客さんが乗り込むのが見えた。
「あ!さっきのタクシーがいなくなるー!
次のタクシーに無理くりでもいいから乗せてもらおう!」
「うん!」

2人で、タクシー乗り場に走る。
次のタクシーにもお客さんが乗り込もうとしたその時だった。
3台目のタクシーの運転手さん(車の外に立って、アタシたちの一部始終を見ていたと思われ。)が、声をかけてきた。

「どうしたの?」
(とても優しい声だ。)
「〇〇寺に行きたかったんですけど、近いから歩けって言われたんです!」
若干、ドラマティックに説明した。

「歩いて5分って言われたんですけど、土地勘ないので…
雨も降ってるし…
荷物も重いし…(持っているのはみんみ)
(ヒールも痛いし、スカート歩きにくいし…)」

「そりゃお客さんに対して酷いよね。
乗りな!乗りなー!」
「ありがとうございます!助かります!」

そして、ワンメーターの近距離ではあるが、運転手さんは気持ちよくアタシたちを運んでくれた。

「本当にありがとうございましたー!!」
そう言って車を降りようとしたら、名前を聞かれた。
(新手のナンパか?)
とアホなことを思ったが、
「コバヤシです。」
と答えると、ボードに挟んだ乗客リストと思われる紙に書き込んでいた。

みんみと話したんだけど、これってコロナの感染経路を辿るときに使うのかなーと。
そうじゃなかったら、名前なんて聞かないものね。

ってことで、お寺さんには5分のロスで無事に到着した。

今回の件で思ったこと。
それは、タクシーの意識格差があるんだなってこと。
都会人ぶるけど(笑)、都内は超近距離でもタクシーを利用して~って感じの料金体制になっている。
あたしゃ都内で乗ることはほぼほぼないけど、そういう風潮はビシバシ感じる。

地元の日吉駅のタクシーも、バスがなくなっちゃった時にしか乗らない。
でも、必ず、
「近くて申し訳ないんですけど…」
と断りを入れる。
すると、
「とんでもないです~!」
と、100%答えてくれる。
(三和タクシーの教育はピカイチだからね。笑)

いくら、ワンメーターでも、お客さんはお客さん。
アタシの方にもそういう奢ったところがあったのかもしれん。
いや、一応、お金払ってるし。
そもそも、タクシーってそれがお仕事だよな。笑

もし、アタシが、すみませ~的な空気を醸し出さず、
超偉そうに、「〇〇寺まで。」
と、言い切ってたら、勢いで連れていってもらっていたのかも。
…そんな妄想までしちまった。

あとね、みんみに言われたの。
「運転手さんが冗談で言ったのをお母さんが真に受けただけじゃない?」って。
いやいやいや。
一瞬、納得しかけたけど、それはない。

だってさ、最初に「歩けるよ」と言われた後、
「雨」や「荷物」を理由に食い下がったけど、それでも彼はドアを閉めなかったし、発車する気配すら1ミクロンもなかったから。
冗談だとしても、これは笑えないわな。

てなわけで、生まれて初めてシリーズのお話はこれでおしまい。
最終的に乗せてくれた運転手さん、ありがとう。
そして、ありがとう。
貴方のおかげで、あの街とタクシーを嫌いにならないで済んだ。笑

捨てる神ありゃ拾う神あり。
そんなことを思う木曜日の朝である。

最後に愛してやまないこの子をどうぞ。
クリストファーⅡ世。
今日で584日。
もう、65センチもある。
実際に居たら、ものすごい大きさだ。笑

そりでは、みなさまもステキングな木曜日を。