日時:2024年5月19日

会場:みなとみらいホール
指揮:ユライ・ヴァルチュハ

メゾ・ソプラノ:エリザベス・デション
女声合唱:国立音楽大学
児童合唱:東京少年少女合唱隊

読売日本交響楽団(コンマス:林悠介)

C席4,500円(割引後) 3F LC-0番台

 

<木管トップ>
フルート:倉田優
オーボエ:金子亜未
クラリネット:金子平
ファゴット:井上俊次


<金管トップ>
ホルン:日橋辰朗
トランペット:長谷川潤
トロンボーン:桒田晃

 

読売日本交響楽団 第134回横浜マチネーシリーズ
 
マーラー 交響曲第3番・ニ短調

マーラー好きの私の中でも3番は可能な限り聴きにいきたい曲目。
読響でやるというので、平日のサントリーに行くか休日のみなとみらいホールに行くか悩みました。
予約する段になっても悩み、空席状況を見て、安い席だとサントリーは著しく音響が悪い席しかなかったので、少々交通費はかかりますが、みなとみらいを選択しました。ケチらないでS席を取ればいいのですが、貧乏なもので。

指揮のヴァルチュハさんは確か初めて。どんな演奏になるのか?
冒頭のホルンの壮奏からすごい鳴らしてる。いきなりジーン。日橋さんがトップに立っている時は安心して聴くことができます。8+1本のホルンは本当に太い音で雄大な音がします。ホルン以外の金管も木管も、そして打楽器もスケールが大きい。弦もそう目立ちはしないがよく鳴っていました(16型)。

日橋さんのホルンはソロも絶好調。伸びやかで歌うホルンが楽しめました。
長谷川さんのトランペットも素晴らしい。ビブラートは抑制気味にしながら美しい旋律で魅了してくれました。

桒田晃さんのトロンボーンのソロも情感たっぷり。何回か現れるソロは雄大だったり滑らかだったり渋かったりとそれぞれ違う顔を見せてくれました。

第3楽章のポストホルンの音は、繊細で清らかな音ですごくよかった。もう一人の首席の辻本さんが吹いているんだろうと思っていたのてすが、曲が終わってステージに現れた方は元東響首席の佐藤友紀さんでした。そして、手にしているのはトランペットではなくポストホルン。何と言うこだわり。

第4楽章のデションさんのメゾソプラノは弱音と強音とのギャップが気になりました。大きい声の時はホールを包み込むかのような声でいいのですが、小さい声だとモゴモゴして明瞭さが欠けるように感じました。

第5楽章のコーラスは清々しくてよかったと思います。

そして、第6楽章。これまで持っていたタクトをさっと引っ込めて手で指揮を始めた弦のピアニシモがとてつもなく美しい。渾身のピアニシモを聴いたとたん、涙がドーっと流れ出ました。昨年聴いたカーチュン=日本フィルもここで感動したように思いますが、今日はその比ではありませんでした。その後も主役は弦。各奏者のソロも弦に彩りを添えるための脇役でした。きっと各奏者もそれを意識して演奏しているんだろうなと感じました。そして、2対のティンパニが力強く打ち込み感動のフィナーレ。

こんなに号泣したのは久しぶりです。ハンカチがやばいことになっていました。


みなとみらいを選択してよかったです。

サントリーの悪い席ではこんなに弦がいい音で響いてこなかったと思います。残業も長めに豊かに響き、幸せの時間でした。最後の余韻もちゃんとお客さんが待ってくれた(あそこでフライングする馬鹿はいないと思いますが)ので最後まで楽しむことができました。

馬鹿といえば第1楽章の後半、軽快なリズムで乗ってるあたりでスマホからご機嫌なメロディか軽快に響きました。全然気がついていないようで数十秒、いや1分を超えていたかもしれません。とうやらPブロック最前列に座ってらっしゃったご老婦のよう。一緒に来ていたと思われる娘さん?が気がついてようやく止まりましたが、ひどい話です。あれだけ長かったのは初めてです。ただ、スネアがリズムを刻んでいるところだったので、何かの効果音なのかなと一瞬思ったりもしましたが、マーラーは電子音は使いませんよね。ついうっかりは仕方ないですが、すぐ気づいてよ!まったくもー。