日時:2024年5月18日
会場:ミューザ川崎
指揮:ジョナサン・ノット
ヴィオラ:青木篤子*
ヴィオラ:サオ・スレーズ・ラリヴィエール**
東京交響楽団(コンマス:小林壱成)
S席 5,625円(年間セット券)
2CA-2-30番台
<木管トップ>
フルート:竹山愛
オーボエ:最上峰行
クラリネット:吉野亜希菜
ファゴット:福井蔵
<金管トップ>
ホルン:上間善之
トランペット:澤田真人
トロンボーン:鳥塚心輔
ミューザ川崎シンフォニーホール&東京交響楽団 名曲全集第197回
ベルリオーズ 交響曲「イタリアのハロルド」 op.16 *
酒井健治 ヴィオラ協奏曲「ヒストリア」 **
(ソリストアンコール)ヒンデミット 無伴奏ヴィオラ・ソナタ op.25-1から第4楽章
イベール 交響組曲「寄港地」
1.ローマ-パレルモ
2.チュニス-ネフタ
3.バレンシア
前半はベルリオーズのイタリアのハロルド。
この曲、存在すら知らなかったくらいで、聴いたのは恐らく人生で初。
曲自体は、あーベルリオーズだっていう響きで、どことなく幻想交響曲に似た雰囲気。
盛り上がり方は本当にそっくり。ノットさんのタクトに乗った東響が一気呵成に突き進む感じは痛快でした。
幻想交響曲とちょっと違うのは、ヴィオラのソロが入るところ。東響首席の青木さんがソロを務めました。キリッとした感じでオケの音と時に馴染み、時に対峙するのですが、ちょっと残念だったのは音量が足りないこと。オケの音が大きいのかもしれないのですが、あくまでも交響曲なので、オケの音量は落とすべきではないように思いました(弦は多分14-14-10-8-7)。もう少しヴィオラソロの音量があれば、もっと曲が面白くなったのではないかと思います。なお、最初のハープとの二重奏や最後の弦楽のバンダとの四重奏はヴィオラの音色がよく聴こえたのですごく良かったです。
休憩を挟んで2曲目は酒井健治さんのヴィオラ協奏曲。
現代曲に区分されるんだと思いますが、激しさの中に和声の心地良ささえ感じる聞き手をワクワクさせるような曲でした。
ラリヴィエールさんのヴィオラは力強く、そして超絶テクニックで惹き付ける。前の曲ではヴィオラってこの位しか音量が出ないのかなぁと思ったのですが、そんなことありませんでした。
ソリストアンコールのヒンデミットがまた凄かった。圧倒的なテクニックで聴衆を熱狂させてくれました。
最後はイベールの寄港地。
最近は3曲目のバレンシアのみ吹奏楽で時折聴くくらいでオケで聴くのは久しぶり。
これはとにかく楽しかった。
みんなで音楽を楽しもうぜ!という空気が全開。
金管が吹きまくり、弦が生き生きと弾きまくる。そして9名によるパーカッション。最後は興奮の坩堝に。
笑ってしまったのは2曲目のチュニス-ネフタでの最上さんのオーボエソロ。あの風貌(最近はテレビでも葉加瀬太郎さんのそっくりさんとしてもご活躍)から奏でられる音がなんとも怪しく、コブラが音に誘われて出てくるんじゃないかと思うほど。ハマり過ぎです。もう笑っちゃうしかありませんでした。もちろん演奏自体も見事だったのですが。
爽快感溢れる気持ちで帰途につきました。