日時:2023年9月27日

会場:東京オペラシティ
指揮:原田慶太楼

ピアノ:上原彩子*

読売日本交響楽団(コンマス:日下紗矢子)

1F 25列-20番台

 

<木管トップ>
フルート:フリスト・ドブリノヴ
オーボエ:荒木奏美
クラリネット:金子平
ファゴット:吉田将
<金管トップ>
ホルン:松坂隼
トランペット:長谷川潤(1曲目は田中敏雄)
トロンボーン:青木昴

 

読響プレミア 公開収録

 
ドヴォルザーク スラヴ舞曲第3,10,8番
スクリャービン ピアノ協奏曲・嬰へ短調 op.20*
(ソリストアンコール)スクリャービン 2つの左手のための小品*
吉松隆 交響曲第5番 op.87

1曲目はスラヴ舞曲。
歯切れのよい原田さんの指揮により、躍動感溢れる演奏が繰り出された。と思えば10番ではしっとりとしたメロディーも聴かせる。幸せ感たっぷりの演奏でした。

2曲目はスクリャービンのピアノ協奏曲。
激烈な曲なのかと勝手に思っていたのですが、これがまぁなんとロマンティックなことか。第2楽章は美の極致。上原さんのピアノがオケに溶け込んで陶酔してしまった。
全体的にピアノが強烈に主張するようなことはなく、ピアノとオケが一体になって曲を造形していく感じ。
ピアノ協奏曲としてはやや物足りなく感じる所もあるが、これはこれでとてもいい曲だと思いました。もっと人気が出てもおかしくないと思うのですが。
最後はピアノの音だけが浮かび上がって余韻を残して終了。オケだけで終了する曲は多くてもこのパターンは珍しい。でもこの終わり方、良かったです。
この曲、好きになりました。

そして、ソリストアンコールが凄かった。
左手だけで演奏されたのですが、右手で弾くならプロは難なくこなす曲でしょうが、ええっ!こんなメロディアスで美しい旋律を左手だけで!目が点になった後、ウルっときました。

後半は吉松隆の交響曲第5番。
約1ヶ月前にアマオケで聴いたばかり。その時も結構いい演奏だと思っていたのですが、こうして改めてプロオケの演奏を聴いてみると全然違った。曲に生命が吹き込まれたかのよう。
最も違いがはっきりしていたのが弦。1ヶ月前は1stVnが11だったのに対して今日は14型。数でも質でも勝っているのですから差は明白。
大音量で盛り上がった後に訪れる弦による静寂。ここが一番違った。今日はゾクゾクしました。
楽章によってジャズだったりロックだったりと様々な色彩を見せてくれる曲ですが、それぞれ読響が素晴らしい演奏で応えてくれる。
凄い演奏でした。最後の弱音の弦からピアノと繋ぎ大音量で締めるあたりの曲の計算しつくされた構成に落涙した。
的確なバトンテクニックで読響を引っ張った原田さんの力も大きかったと思います。

今日は吉松さんご本人も客席にいらっしゃっていて盛大な拍手を受けられていました。
日本人がこんな立派な曲を書かれたことに誇りを感じます。

放送は半年近く先になるようで、それまでブログのアップを見合わせようかとも思ったのですが、ネガティブなことは書いていないのでアップしてしまいます。微力ですが番組の宣伝にもなるでしょうし。