日時:2023年7月9日
会場:ミューザ川崎
指揮:下野竜也
ヴァイオリン:三浦文彰*
ピアノ:髙木竜馬*
ヴォカリーズ:隠岐彩夏*
東京交響楽団(コンマス:小林壱成)
S席 4,500円(年間セット券)
2CA-2-30番台
<木管トップ>
フルート:竹山愛
オーボエ:蠣崎耕三(客演)
クラリネット:吉野亜希菜
ファゴット:福井蔵
<金管トップ>
ホルン:上間善之
トランペット:澤田真人
トロンボーン:鳥塚心輔
ミューザ川崎シンフォニーホール&東京交響楽団 名曲全集第189回
冬木透 交響曲「ウルトラコスモ」
羽田健太郎(テーマモチーフ:宮川 泰) 交響曲「宇宙戦艦ヤマト」*
前半は「ウルトラコスモ」。
単なるウルトラマンメドレーだろうと何の期待もしていなかった曲。
まさかこの曲に泣かされるとは。
4楽章で構成されており、第1楽章は予想通りの展開。
ところが、一転して郷愁感溢れる第2楽章で泣かされることになる。
澤田さんのトランペットのソロが素晴らしいの何のって。どのウルトラマンの曲をモチーフにしたのかわかりませんが、いかにもウルトラマンが勝って平和が訪れた時にバックに流れるメロディーなんですが、澤田さんの品のあるビブラートで歌い上げるメロディーが何とも美しく心に刺さる。私の心は50年前にタイムスリップ。バックでパイプオルガンの音が鳴っていたのも実に効果的でした。
上間さんによるホルンのソロも素晴らしかった。第2楽章の最後に再び澤田さんのソロが現れますます郷愁の極致へ。涙がドーっと出てきてしまいました。
他のお客さんも感動したんでしょうね。第2楽章が終わった所で拍手がパラパラと起こりました。指揮者の下野さんも澤田さんを指差して立ったらと促していたようでしたが、澤田さんは照れたのかそのままでした。
その後は最後までよく知ったメロディーのオンパレード。うまいことまとめ上げたなぁと感心しました。時折、ウルトラセブンのホルンの雄叫びが出てきたりするとウルッとしながらフィニッシュ。澤田さんは大きな拍手を受けていました。
後半は「宇宙戦艦ヤマト」。
5年前にも同じミューザ名曲で東響の演奏で聴いており2回目です。
前半とは異なり、次々と知っているメロディーが出てくるというよりは、一つのメロディーを反復しながら繋いでいくというイメージでしょうか。そのためか全体で55分ですが、曲が長く感じてしまい、特に1~2楽章がえらく長いように思ってしまいました。あのシンフォニックな序奏もないですしね。
第3楽章の途中でヴォカリーズが入り、ハッとさせられ、第4楽章ではヴァイオリンとピアノのソロが入るため聴いていて楽しくなる。
三浦さんのヴァイオリンは大河ドラマ「真田丸」の時のようで強靭でリズミカル。
髙木さんのピアノもノリがよくいい感じなんですが、ピアノの反響板が外されていたので音像がボヤけてしまう。あれ、何で外しちゃうんだろう。意図がよくわかりません。
そのためか、5年前は横山幸雄さんのピアノが主で、大谷康子さんのヴァイオリンが従と感じたのが、今日は逆でヴァイオリンが主に聴こえました。
ちょっとそこがモヤモヤしましたが、かなり高水準の演奏だったと思います。弦のトゥッティなんかは美の極致と言っていいほどでした。
弦の編成は前半後半とも14型(Cb+1)。