日時:2023年5月12日

会場:ミューザ川崎

指揮:ジョナサン・ノット

演出監修:サー・トーマス・アレン
エレクトラ:クリスティーン・ガーキー(ソプラノ)
クリソテミス:シネイド・キャンベル = ウォレス(ソプラノ)
クリテムネストラ:ハンナ・シュヴァルツ(メゾソプラノ)
エギスト:フランク・ファン・アーケン(テノール)
オレスト:ジェームス・アトキンソン(バリトン)
オレストの養育者:山下浩司(バス)
若い召使:伊藤達人(テノール)
老いた召使:鹿野由之(バス)

合唱:二期会合唱団

東京交響楽団(コンマス:小林壱成)

C席 5,400円(会員価格) 4LB-1-10番台

 

<木管トップ>
フルート:竹山愛
オーボエ:荒絵理子
クラリネット:吉野亜希菜
ファゴット:福士マリ子

<金管トップ>
ホルン:上間善之
トランペット:佐藤友紀
トロンボーン:鳥塚心輔

 

R.シュトラウス 歌劇「エレクトラ」(演奏会形式)


ほぼ1ヶ月ぶりのオケのコンサートは刺激的だった。

女声3人の歌唱が素晴らしい。

エレクトラのガーキーさんは口から声が出ているというよりは身体全体から声が出ているようで、こんな感覚は初めて。凛々しくも狂気的でもあるエレクトラを見事に表現していた。

クリソテミスのウォレスさんがガーキーさんとは全く異なる声質で、こちらはスコーンと通るストレートな声。これが曲と合っていてこちらも良かった。終盤の強烈な歌唱が印象的。

クリテムネストラのシュヴァルツさんは深みと凄みのある歌唱でこれまた存在感を示していた。

この3人があまりにすごいので特に男声陣は分が悪かったが、それでも持ち味はそれぞれが発揮していたように思います。

監視の女と侍女5人もいい声しているなと思ったら、こんな役なのに結構な歌手を揃えていたんだなと後から認識しました。

歌手の出来も良かったのですが、東響の演奏が素晴らしい。緻密な音から大音量までノットさんの音造りに見事に応えていたと思います。

ラストの鬼気迫る音には完全にやられて、涙がジワーっ。

最後の狂気的な音響空間に興奮した人が多かったんでしょう。サラウンドでのブラボーが。この感覚何年ぶりだろう。なつかしかったー。


R.シュトラウスは一番と言ってもいい位に好きな作曲家ですが、今までオペラは避けてきました。しかし、ノット=東響でサロメ、エレクトラと体験してちょっといいなと思い直しました。エレクトラのオーケストレーション、素晴らしかったです。

やっぱりノットさんは期待を裏切らない。すごい指揮者です。