日時:2020年9月5日
会場:東京オペラシティ
指揮:飯森範親
ピアノ:伊藤恵
東京交響楽団(コンマス:水谷晃)
東響オペラシティシリーズ第117回(ゲネプロ)
<木管トップ>
フルート:相澤政宏
オーボエ:荒木奏美
クラリネット:エマニュエル・ヌヴー
ファゴット:福井蔵
<金管トップ>
ホルン:上間善之
トランペット:佐藤友紀
トロンボーン:鳥塚心輔
モーツァルト ピアノ協奏曲第20番・ニ短調 K.466
ハイドン 交響曲第103番・変ホ長調 Hob.I-103「太鼓連打」
ベートーヴェン 交響曲第5番・ハ短調 op.67「運命」(各楽章さわりのみ)
本プログラムとはハイドンとモーツァルトが逆に演奏されました。
1曲目のモーツァルト。
伊藤さんのピアノが端正で美しい。
第2楽章。あー、この曲だったなと。心が落ち着くいいメロディーですよね。
そこから繋がる第3楽章。ピアノもオケも一転して勢いがつく。ピアノとオケとが一体になって駆け巡る。モーツァルトってこんなに激しかったっけ?弦の音も一層厚みを増して音に広がりが出る。
うん。いい演奏でした。
小休憩を挟んでハイドン。
太鼓連打はお恥ずかしながらCDでも聴いたことがなく、初体験。
清水さんが太鼓を肩からぶら下げて舞台上手から派手な音とともに登場。
そして、ステージの左右に初台配置された太鼓が互いに連打。
これ、ハイドンの時代にやったなんて。さぞかし斬新に聞こえたことでしょう。
この左右に別れての太鼓連打、最初だけかと思いきや他の楽章でもそう目立たないものの何度か登場したような気がします。
相変わらず東響の音は弦と木管が特に美しい。
最近はトッポさんのニックネームがついているらしい福井さんのコケティッシュなファゴットと美しさの中にも渋みのある荒木さんのオーボエが特に良かった。
ちなみにトッポさんの由来はミューザ川崎(東響)がニコ生配信をした時にファゴットの形がお菓子のTOPPOに似ているとのコメントが盛り上り、その時に吹いていた奏者が福井さんだったからのようです。確かに色といい形といい似てますよね。ネットってこういう所が面白い。たまたま福井さんだったのも良かった?んでしょうね。もう一人の首席である容姿端麗な福士マリ子さんだったらこんなには盛り上らなかったと思います。福井さん、おいしい所を持っていきましたね。
ハイドンって積極的には聴いてこなかったのですが、こうしてちゃんと聴くと新しい発見があったり、クスッと笑える要素もあったり、それでいて聴かせ所はしっかり押さえていたりして結構いいかも。
今後、コロナのせいで古典を聴く機会が増えると思うので、ちゃんと聴いてみようと思いました。
ハイドンが終わった時点で凡そ12:25(ゲネプロの開始は11:00)。
すると指揮者の飯森さんがステージから降りて、こちらへスタスタ。
ゲネプロは12:30までと決まっているので、運命はさわりのみになりますと。運命を楽しみにされていた方、ごめんなさいと、ちゃんと説明してくれました。
なんていい人なんだ。こんな気配りができるなんて。
ということで、運命を聴けたのはちょこっとずつ5分位。
それでも1プルト増強された弦がより一層豊かさを増し、また、飯森さんのメリハリの効いた曲作りの一端を垣間見ることができました。
これ、本番では名演になったのではと感じさせるいい演奏でした。
今日はこの後、みなとみらいホールへ向かいました。