(命の選別をするってこと?よね?)
全身が固まって…何なら顔まで固まって、上手く呼吸が出来ません。

S医師は、続けます。
「ただ、現段階では治療の適応にはなりません。
今、成育医療センターに行っても直ぐに返されちゃうだけだからね。」

①左の子の羊水深度が基準値以上あること。
②臍帯血流に逆流が見られるものの、心拍はしっかりしていること。
(まだあったけど…やっぱり、記憶と記録が飛んでいます。)

ただ、25週までに何らかの判断をしなくてはいけない事。
左の子は、ほとんど成長していなくて厳しい状態であること。

「来週早々に、もう一度診せてね。それで管理入院しましょう。細かく様子を見ていこうね。とにかく血流の為に安静にして下さい。」

歩くのは、病院に来る時だけ。
家事はしない。
とにかく横になること。


長い胎児精査が終わりました。

「このまま居られる⁉️」
娘が言います。
「一旦帰って、またすぐ来るわ。家の事もあるし。」

実はこの時、息子のところの孫2人も体調を崩して入院騒動の最中でした。
しかも、末娘は人生を賭けた受験前。
私自身も、足掛け3年のプロジェクト(と、言ってもボランティアです)が始まったところでした。


いや、これは後付けの理由かな…とにかく、この場から逃げたかったのかもしれない。
現実に気持ちが追いつかない、診察の内容が整理できない…頭も気持ちもいっぱいいっぱいでした。

キャリーケースを引きずって、駅まで送るという娘夫婦の申し出を断り、タクシーで駅に向かいました。

続きます。