「共倒れを防ぐための治療があります。」
S医師が続けます。

①この治療は治験段階であること。
②危険を伴う治療の為、条件が厳しいこと。
               ※羊水深度が2㎝以下
               ※臍帯血の逆流がある
               ※25週まで
(他にもいろいろあったけど、記憶も記録も飛んでます…。)
                   
③治療方法は、TTTSと同じく、内視鏡を使い子宮内の更に胎盤内の2人を繋ぐ血管をレーザーで焼き、血流を遮断すという事。
④破水のリスクが高い事。
破水した場合は、22週未満ならそのまま死産となる事。
⑤治療は国立成育医療センターでしか行なえない事。

震える声で聞きます。
「助かるんですか…?」

S医師は、静かな声で言います。
「左のお子さんは、確実に亡くなります。これは共倒れを防いで、せめて1人だけでも救う為の治療です。」



続きます。