The Magellan -124ページ目
紅葉の立山山麓の背後に
雪の北アルプスが聳え
その真上に満月が輝いていた
その全景をとらえうるカメラはないものか
極限の神秘の余韻が醒めやらぬまま
私たちはハイウェイを走る
ここはまるで
アラバマか
ノースカロライナか
大地と空が交響するなかで
私は口ずさむ
北北西に進路をとれ
きみがめざした
このあきいちばんのもみじは
ざんしょうをあびて
うつくしく
もえて
わたしたちのしふくのじかんを
みまもっていた
げんじつはうつくしい
とつぜん
みわたすかぎり
ひにんしょうの
ふかんぜんなもりがあらわれて
おうごんのようなこみちを
きみがあるいていく
そのうしろすがたをおいかける
わたしのあしあとは
さらにひげんじつのふかみに
はいってみえなくなる
むえんしゃかいで
ゆらめくすすきに
きみもゆらめき
つまづきそしてきらめく
そのさきの
ちへいせんの
さいぜんせんで
はじまるものがたり
あるいは
げきてきにてんかいする
あたらしいきせつのきせき

