ずっときみの痕跡を感じない
どこにも移動できない
電波も音波も届かない場所で
むきだしの心のまま
突っ立っている
開花期はずっと先なので
街路樹に皮一枚でぶら下がっているのか
民家もないのに
なぜか
洗濯機の回る音が聞こえてくる
何度も何度も
都合のよい言葉を使って
名前のないまちで
火をおこそうとしているが
縄文人のほうがよほど
自分は誰だかわかっている
呼吸もちゃんとできている
ひかりよひかりよひかりよ
過剰な思いいれは禁物だが
地上にも星がきらめいている
闇の少し先から
本物の銀河鉄道が発車しますと
告げる声がなくても
サイレンがならなくても
他人のふりをして
きみを探しだそうとしている
