「夏の夜や崩れて明けし冷し物(芭蕉)」。
涼感が恋しくなる季節だが、去る6月27日、
シェークスピア喜劇の最高傑作の一つ
「夏の夜の夢」が、オーバード・ホールで上演された。
森という舞台で人間と妖精が巻き起こす恋の騒動の
祝祭劇だ。
ジョン・ケアード氏の演出で、一つ一つの言葉や感情
が豊かな水脈のように掘り起こされた。
また、ケルト神話に由来する妖精の言葉の不思議な
違和感も魅力だ。
翌28日の「しゃべらんまいけ!越中・とやま弁大会」
では、年々熟成される富山弁のパフォーマンスを目にし、
郷土の言葉の豊かさと来歴に思いを致した。
関係者の努力で近く富山弁かるたが発売される。
「みゃあらくもん配達途中で草野球」。
ゲストの柳家さん生師匠ではないが、方言も外国語も
使わないとダメになっていく。
最近、富山弁のフラッシュアニメがよくオンエアされ
ている。魚津在住のビリッチの作品だ。画像の豊かな
色彩感と等身大の富山弁ギャグが融合し、独特の
異国情緒を醸し出している。
唐突に、富山弁で外国劇はどうかしらと思ったが、
かつて劇団文芸座は「夜の来訪者」を上演している。
言葉の土着性と劇のエキゾチシズムは、一見相
いれないが、演出が冴(さ)えれば、方言も「夏の
夜の夢」の妖精たちのような役割を果たすかもし
れない。