詩人で作家の宮沢賢治(1896-1933年)が書いた未発表の詩の草稿1篇が見つかった。
賢治が書き残した詩や童話などの作品は、ほぼ出尽くしたとみられていたから驚いている。
「新校本 宮沢賢治全集」(筑摩書房)の別巻にも収録されたようだが、執筆時から約80年を経て現れた新作はどのように受けとめれるか興味がある。
「停車場の向ふに河原があって」というフレーズで始まる詩は、岩手県南部にある猊鼻渓とみられる景勝地の近くを走っていた乗合自動車をモチーフに
「ところがどうだあの自働車が」
「傾配つきの九十度近いカーブも切り/径一尺の赤い巨礫の道路も飛ぶ/そのすさまじい自働車なのだ」
などとつづり、躍動感のある筆致で幻想的な光景を描いている。
昨年、花巻市内にある賢治の生家の蔵を解体した際に、内部の梁に載せられていた書類の中から見つかったという。
大正時代の初めに印刷された同県水沢地方の地図の裏に、賢治独特の文字で書かれていた。
専門家によると、生前刊行された唯一の詩集「春と修羅」が世に出た翌年、賢治が花巻農学校の教師をしていた1925(大正14)年から数年の間に書かれたと推定できるとのことだ。
岩手は行ったことがないから、是非一度訪れてみたい。