エコノミスト 2/17
2008年の世界株式市場は、すべての国がマイナスになった。
それも、過去19年間で主要国のすべてが下落したのは初めて
のことだという。
その中で、最もパフォーマンスが良かった国はモロッコだが、
それでも15%強の下落だ。
日米欧は、30~50%の下落だが、ブラジル、ロシア、インド、
中国のいわゆるBRICs諸国は、50%以上の下落で、惨憺たる
結果だ。
アイスランドに至っては99%超の下落で、国家経済が破産状態に
なっている。
このような下落幅の大きさは、金融理論では想定のできないもの
だったという。
理由はいくつかある。
現代の金融理論は、X軸を「騰落率」、Y軸を「発生確率」とした正規
分布を前提にしており、尖りを示す「尖度」は0となっている。
しかし、実際の株価変動率は、株価理論よりも山が高く、1990年
以降の尖度は6で、正規分布よりもかなり高くなっている。
また、市場のリスクを示す標準偏差も、正規分布では歴史上起こり
えないほどの非常に稀な数値が出ている。
経済物理学など、より現実に即したモデルの構築が急務なわけ
だが、投資家は、現理論のこのような限界をどのように受け止め
ていくのだろうか。
3月金融不況説が出てきているのも気になる。
オバマ大統領の「バッドバンク構想」に期待が集まっているが、政府
機関がバッドバンクの不良資産をいくらで買い取るのだろうか。
きわめて重要で、かつ厄介な問題だ。
その算定次第では、金融機関の資本不足か、あるいはモラルハザ
ードを招いてしまう。
まだまだ不安定な状況が続くように思う。