「現代詩手帖」2月号
同誌の創刊号(1959年6月刊)の復刻版が、綴じこみで付いている。
当時、28歳だった谷川俊太郎が「わが詩へのめざめ」と題して
「私は、かつて詩にめざめたことはなかったし、これからもまた、
ないだろう。私にとって、詩とは曖昧で、不たしかで、とらえ所の
ない夜である。」と書いていることが印象に残った。
思い出すことは出来ずに、つくってしまうより他ない少年時の記憶
など何になるかという突き放し方。
「めざめることは出来ぬと覚悟すること、闇にむかってめざめること、
自分の夢を見つめて恥じぬこと。(中略)それこそ詩への唯一の
めざめ方だと私は信じている。」
むしろ詩以外のもろもろの面倒にめざめることで、詩にだけはいつ
までもめざめずにいたいと願っている谷川俊太郎のパラドキシカル
な考え方に詩人の真骨頂をみる思いがする。