今から、約20年前、詩人作家の荒川洋治は、詩人になるのに、
約200万円余りかかるという試算をした。
これには、2冊の自費出版の経費、数年間分の同人雑誌の
参加費や雑誌の購読費、交際費などが含まれている。
もっとも、彼が言いたかったことは、金額のことではなく、自分の
メディアを持つために身銭をきれということだった。
政治の場合は、見返りがあるかもしれないが、詩のほうは、「詩人
になるだけ」のことだと挑発しながら。
当時は、インターネットはおろか携帯電話も普及していなかった
から、今日のようなブログの増殖は想像だにできなかったが、彼の
言っていることは、正鵠を射ていると今でも思う。
この世の中
詩にしていいことと していけないことがある
詩にしていけないことの大部分は 詩だ
だがそれと知るには貯金を積み
ブータンに行くほど
時間がかかるもの
(荒川洋治「龍宮」より)