たしかにインターンスタッフを募集してはいたが
まさかリスとは。

4階のコモンルームに住みついているリス。

なまえ、ラピタっていったっけ。


リスにカフェスタッフがつとまるか!って
さいきんちょっと不機嫌だったぼくは思ったが

…つとまってる。

っていうか、がんばってる。


なんていうか
仕事に情念がこもってる。

明るくて開かれた情念。

おいおい、いい仕事してるじゃないか。


短期、ってはなしだったが
できるなら、もうちょっといてもらいたいな。

それが無理なら、ときどき、でも。

くるみ割るの、プロだし。


やっぱり時代は、リスを求めてるのかな。


ラピタ、かわいいな。


「ぴんぽーん」

昼ご飯の支度をしていると、ドアのチャイムが鳴った。
こんな時間に誰だろうと、扉を開けると。

そこに、カメが、いた。
ラピタと住んでる、カメだった。

「あの…なかなか帰って来ないから…ごにょごにょ」

ルームメイトがなかなか戻らないのを心配しているらしかった。

そうよねー…
下のコーヒー屋さんで見かけたという情報があったな。

「よし分かった。ちょっとリサーチしてきてあげるよ」

シオキチと約束。

今日は、水曜スープの日。
リサーチという名目で…いやいや、心配だからちょっと見て来よう。

ーーーーーーーー

「こんにちは、スープ頂きにきました!」

お店に入り、探す。

探す。

探す…。

あっ。

いた!
$くるみの巣箱にくるみらい
「ぶ、文房具。文房具は、いかがですかっ」


いた!!
くるみの巣箱にくるみらい
「や、焼き菓子。焼き菓子、おいしいですよっ」


いた!!!
$くるみの巣箱にくるみらい
「ちょっと…休憩中です…」



いた!!!!
くるみの巣箱にくるみらい
「ち、蓄音機コンサート、毎月やってますっ」


ほほう、なかなかいい働きっぷりじゃないの。


「おっお待たせしました。すっスープで…ああっ!」
くるみの巣箱にくるみらい

こっそりリサーチに来たけれど、見つかってしまいました。



くるみの巣箱にくるみらい
「色々と緊張しますけど、ここで働くのは、楽しいですっ!」



シオキチに、伝言つたえななきゃ。

もうしばらくしたら、帰るって!









夏が終わり、なんだかもの寂しい。
秋風を感じながら、ボクはひとり考えごとをする。

「シオキチ、ぼくちょっと考えていたことがあるんだ。」
迷っている。
でも、チャレンジしてみたいんだ。
もっと色んな世界を見てみたいんだ。
そして、誰かの役に立ちたいんだ!

そんな話をシオキチは、
黙って聞いて、そして、強く頷いてくれた。

よし行こう。
ボクは受け入れてもらえるだろうか。
…き、緊張する。

さあ。

いざ、あの方のもとへ…!!!!!

くるみの巣箱にくるみらい
今夜は、コモンルームのテーブルが賑やかです。





まずは、奥さんお手製の肉じゃが。

くるみの巣箱にくるみらい




「くんくん。おいしそう。」

シオキチ、大喜びで登っちゃってます。



カメって、じゃが芋食べるのかなぁ。





こっちは、この間遊びに来ていたお兄さんの差し入れだって。

くるみの巣箱にくるみらい



・・・ん?『ラピタも食べて』って書いてある!

このお菓子、ボク大好物です!お兄さん、あ、ありがとう!



「ねぇ、リスってお菓子食べられるの?包み紙、どうやって取るの?」

「あ…」





他にも色々、オイシソウだなぁ。



くるみの巣箱にくるみらい



働いているみんなの、お仕事中の休憩に、とか、

住んでるみんなが、夜に帰ってきてほっと一息つけるように、とか、

ちょっとおしゃべりするときのおともに、とか。

誰かのことを想う、誰かの気持ちがこもってる。





…グゥゥ。

お腹すいた…。



さっき、嬉しそうに肉じゃがをもって帰ったお姉さんがいたな。

分けてもらおうかな。い、いきなり行って大丈夫かな。。

や、やっぱり緊張する…



ピンポーン♪

「に、肉じゃが…ボクたちも食べたいです!」





お姉さん、どうぞどうぞと部屋に入れてくれました。

よかった…。



うーん、美味しそう!



くるみの巣箱にくるみらい




花火大会当日。

マンションのみなさん5人と小学生のぼっちゃん1人、
マンションのお友達のお兄さん1人、
計7人とぼくら2匹で、花火を買いに行く。

雨上がりの道を、花火を買いに。
それだけで…わくわくしました。

お店で花火とボックス入りの果汁アイスバーも買う。
「食べてもいいけど、走っちゃダメだよ。危ないからー」
なんて言いながら、大人が棒アイスを食べながら歩く。

人間の大人って…意外と楽しそうです。

そして、いよいよ花火です!
リスですから、火を扱うのははじめてです。
…緊張します。

これが花火の種ですね。
…ちょっと美味しそうです。
$くるみの巣箱にくるみらい


あ、種が大きくなって来ましたよ。
ああ…ああっ!!
もっ燃えるっ!!!
$くるみの巣箱にくるみらい


ああっ!
ぼっちゃん、そんな火の輪の中で!あぶないですよっ!!
くるみの巣箱にくるみらい



いろいろ緊張しました…。
ふたたび落ち着きを取り戻す…。
…奇麗です。
$くるみの巣箱にくるみらい


2012年夏が、暮れて行きます。

蝉の声が遠ざかり、
コオロギや鈴虫たちの声、
そしてみんなの笑い声が響く夜。


引っ越しが完了…ふう疲れました。

憧れの部屋の棚の上。
眺めもよくて、
ナチュラル系の素敵なインテリアです。

あ、そうそう、
ここマンションらしく、
お部屋をシェアすることになりました。

ルームメイトは、カメのシオキチです!

みなさん、あらためて、
ボクたちをどうぞよろしくお願いします。

(出入り自由、キッチンも使って下さい。)

$くるみの巣箱にくるみらい


それから、
ボクと外出の時は、
リスのマークのラピタ袋に入れて…
with you !

$くるみの巣箱にくるみらい
9月1日は、花火大会だそうだ。
2012年夏のしめくくり。
8時にはじまるだそうだ。

花火買いに行かなきゃ。

あー忙しい、忙しい。

…ちょっと昼寝してからにしよう。
$くるみの巣箱にくるみらい

あー昨日はすごいがんばった… zzz…
みんな、よろこんでく…れたし zzzz…
あ、メガネのお兄さん、
寝不足でお仕事大丈夫だったかな …
うっかり寝ちゃったりなんて…してないかな zzz
まさかね… むにゃむにゃ…
あぁ、どうしたものか。
お誕生日を1日に3人分もお祝いするなんて
人生で初めての経験。。緊張する。。

2人へのお祝い、どんな風にしようかな。
この前見かけたメガネのお兄さんに相談しにいこうかな。。
でも、こんな遅い時間に非常識だろうか。
あぁ、なんだか緊張してきた。。

ドアの前で立ち往生してたら
ガチャリとドアが開く。

あ、メガネのお兄さんだ!
や、やばい。ドアの前で立ってるなんて怪しすぎる。

「新人っていうのはキミのことか。まぁ、入りぃや」

思ったより優しそうな感じ。。
でも、か、か、関西弁はちょっと恐い。。

「なるほど、お世話になってる奥さんとヒゲヅラのご主人のお誕生日でもあるのね。」
「は、はい。あ、あの、先程、わ、渡すタイミングを逸しまして・・・」

「ほな、こうしたらどうかな?」
「はい?」

「えっと、ドアのムニャムニャ。。zzz。。前でムニャ。。zzzz」

え、うそ!?あれ。この人、半分寝ながら話してる!?。。大丈夫かな。
あ、夜が明けてきちゃった。

どうしよう。。ここは、自分でやるしかない。よし。
あぁ、でもやっぱ緊張する。。


$くるみの巣箱にくるみらい


いざ、扉の前に立つ!

$くるみの巣箱にくるみらい


…お、おめでとうございます!!

$くるみの巣箱にくるみらい

お誕生日、おめでとうございます!クラッカー
ボクたちにマージュを、ありがとう!ラブラブ!


くるみの巣箱にくるみらい
その日が来た。

いつものように、
憧れの部屋でみんなとお茶を飲んでいた時のこと、
急に扉が開いた。

大きなリスだ。
…と思ったら、オーナーだった!

「は、はじめましてっ。ラピタと言います!」
挨拶が肝心です。

「はい、こんにちは!きみが、ラピタ君ね。」

「はい!あの、ボク、ここが好きで…。」

オーナーは聞き上手な人で、
ボクの話を頷きながら丁寧に聞いてくれた。

ボクは自分のことを話すのが、
だんだんどんどん楽しくなってきて、
「ボク、向上心があって、素直で、
それからチャーミングだって言われるんです!
くるみ採るのが得意なんで、たくさんお届けしますし!
1階のコーヒー屋さん手が足りない時は働きます!」

それから、それから…

そう、ここはみんなが自分が持ってるものを、
持ち寄って、分け合って、
そんな風に暮らしていくところ。

オーナーは、
くるみのくだりで目を輝かせ、
また静かに微笑んだ。

心地よい沈黙を挟みながら、
大きなリスと小さなリスは、
くるみの巣箱に吹く風に、
ただ吹かれていた。

$くるみの巣箱にくるみらい


…で、結局なんの面談だったんだろう?
ボクがひとりで話して終わってしまった気がする。
あとで合格とか不合格とか言われるのかな。
ああ…緊張する。