【共同正犯の本質(一部実行の全部責任の法理)】全体行為の一部しか分担してない者も、実現された違法事実の全体についての正犯とされる
【共同正犯各人の正犯性】共同正犯各人の正犯性は、各人が犯罪実現のために果たした本質的な役割ないし重要な寄与を理由として肯定される
【実行共同正犯の成立】二人以上の行為者に、主観的に共同実行の意思(合意ないし意思の連絡)があり、客観的に実行行為そのものを分担して実行したという共同実行の事実が認められることが必要である
【共謀行為】犯罪を実行するため、共同意思のもとに一体となって互いに他人の行為を利用し、各自の意思を実行に移すことを内容とする共謀に参加し、ともに共謀を遂げたこと
【黙示の共謀】客観的謀議行為があったのと同程度に、相互に犯罪意思を確定的に認識認容し、黙示の意思連絡があったといえる場合
【承継的共同正犯(否定説)】正犯性を肯定するためには、すべての構成要件要素の実現について因果関係をもつ行為を行わなければならない
【承継的共同正犯(限定的肯定説)】後行者が、先行者の行為およびその結果を自己の犯罪遂行の手段として積極的に利用する意思で行為したとき、その後行者は、先行者の行為およびその結果を含めて共同正犯としての罪責を負う
【結果的加重犯の共同正犯の要件】重い結果を生じさせた行為の特別の危険性を基礎づける事情を共同者が認識していた限りにおいて、結果的加重犯の共同正犯とされるべき
【共同正犯の中止(単独)】共同者の一人が任意に中止を決意し、他の共同者の実行を実力で阻止したとき、または結果発生を回避したとき、その者のみについて中止犯が成立する