(批判的な)A「捜査機関の立証は供述証拠だけでは難しいですよね。」
(回答者たる)B「そうですね。なので、捜査機関にとって、物的証拠の収集は必須です。方法としては主に捜索・差押が利用されます。」
【捜索】一定の場所、物または身体について、物(222条1項、102条) または人(220条1項1号、126条)の発見を目的として行う強制処分
【差押え】強制的に物の占有を取得する処分
A「これはプライバシー権、財産権侵害でしょ!」
B「原則としてはそうですね。ですが、憲法35条が令状主義による例外を認めています」
A「じゃあ令状に「全部」って書けばなんでも差押できるんですか!」
B「令状に「全部」とは書けません。次の基準による特定が必要です」
【令状の特定性】 捜索差押えの現場で差押物を識別できることを意味し、①令状執行に際して、裁判所が許可した差押物の範囲について捜査機関と被処分者の間に紛争が生じることを防止する意味がある。
しかし、②捜索差押えは逮捕に先行して行われることが多く、また物的証拠中心の捜査が望ましいので、差押物の特定の要請には自ずから限界がある
A「ある程度令状の記載が特定されたとしても、記載があるからと言って何でもかんでも差押えできちゃったらまずくないですか?財産権的に。」
B「まずいです。なので、関連性の確認が必要です。」
【関連性の確認】 差押えにあたっては、当該物件が令状記載の物件かを確認しなければならない
B「ですが、フロッピーなどは情報量が膨大でその場でのいちいちの確認が不適当なケースもあり、例外が認められています。」
A「わかりました。しかし、捜索については納得できません。令状に捜索場所を書いたら、その中にあるものはなんだって捜索できるんですか!?たまたま、そこにいた人の物まで捜索するのは、やりすぎじゃないですか?」
B「もちろん捜索の範囲にも限定がありあます。」
【捜索の範囲】
携帯品の捜索 平常その場所にある物・属する物の内容 居住者が現に手にしてる携帯品
【偶然居合わせた第三者の携帯品】
原則:不可
例外:周囲の事情や職務質問などから、隠匿を疑うに足りる相当の理由があれば「必要な処分」として可能
A「何ですか!必要な処分って!曖昧だなぁ」
B「もちろん、必要な処分にも判例(百選23事件)が定立した基準があります。条文もあります。」
【必要な処分】 令状が当然予定する以外のものであって、令状執行の実効性を確保するため必要かつ社会通念上相当と認められる法益侵害的行為(222条1項、111条1項)
A「でも、いくら必要な処分ができても、犯人が目的物を自己の衣類に隠しちゃったら社会通念の枠を超えてしまうんじゃないですか!?場所と身体のプライバシーは別なんですから!」
B「確かに身体の捜索は場所とは別個のプライバシー領域でしょう。しかし、これを厳格に区別しては実効的な捜索ができないこともあります。そのため次のように例外とその基準があります。」
【場所に対する捜索令状→身体・着衣捜索】
原則:不可
例外:目的物を隠匿する行為が目撃された場合や、周囲の状況や職務質問などから、目的物を隠匿したと疑うに足りる相当な理由が認められる場合は、妨害を排除し、原状を回復するため「必要な処分」として可能
A「わかりました。ありがとうございました。」
B「ありがとうございました。」






