資本主義とはなにか、

そんなこと考えたことあります?


辞書を引けば、資本主義とは資本家がお金を儲けるところの社会制度、みたいなことが書いてあるのではないでしょうか。そんな答えはつまらんね。


お前の答えはつまらん。


海とは何かという質問に潮の満ち引きするところと答えるのと大して変わらんレベルの答えですよ。


資本主義の本質とは何か。これは難しい問題ですよ。なぜなら、資本主義は我々の周りに空気のように存在し、我々の身のうちに染み込み、我々そのものを動機付けるそのものだからです。当たり前のことを説明するのが難しいのと同じです。


ハイデガーやニーチェを読んでも、資本主義というものをある種の前提として書かれていて、失望した記憶があります。私は15年前6畳一間の名古屋の下宿で、時代を遡りながらヨーロッパ哲学を読みふけっていた時がありました。遡って試行錯誤して、そして、ヘーゲルにたどり着きました。


資本主義とは何か、という問題は、現代とは何か、という問題となり、結局近代とは何かという問題に行き着きます。近代とは何かを知るためには、ヨーロッパ中世とは何かを知らなくてはなりません。中世と近代とは「光と影」みたいなものだからです。


その中世と近代との関係を明確に意識し表現したのがヘーゲルです。ヘーゲルの精神現象学概論の中にこのような文章がありました。


「かつてこの世のすべての事物は金色の糸で天の事象とつながれていた。しかし、人間はこの糸を一本一本切る事を始めた。これは歴史の流れの中の出来事であり、もう後戻りすることはできないのだ」


資本主義とは結局、現世に吹くさわやかな風である。そう私は理解しました。