もう10年以上前になるが、それまで私は

自分ちで生まれたナミアゲハの幼虫を屋内に

持って入り、何匹も育てては放蝶していた



でもある日、Twitterで

モンシロチョウを放蝶する画像を上げてる人に

スゴい剣幕で農家さんが

replyしているのを見てしまった



「苦労して駆除してる害虫をなんで

あんたらは育てて放してるんだ!」


「大事なキャベツを食い荒らされるのを

どれだけ大変な思いで駆除してると思う?」


「たった数匹放したぐらいと思うかもしれんが

あんたらみたいなんがどんどん放蝶したら

うちらにどれだけ被害が及ぶかわかるか!?」


「生態系を壊す行為はやめろ!」




これを読んで驚いた


幼虫が無事蝶になるようにと

間近で見て育て、放蝶してたことが

こんな風に怒りを持たれるんだということを



幼い頃から虫好きで近所の方から

「まーちゃん虫おるよ」と知らせを受け

植え込みについた虫をもらっては育てていた

その延長で、

自分の家のみかんの木についた幼虫を育てた



だが、このコメを読んで

放蝶の悪影響について調べてみた

害虫と呼ばれることには抵抗があるけれど...


確かにそうだ自分にも経験がある

ブロッコリーを植えていたら

モンシロチョウの幼虫に食い荒らされ

壊滅状態あーあ...という事態になった

そのモンシロチョウの幼虫は、その年よく飛来していた

フタモンアシナガバチの格好のエサになり、

残ったのはボロボロになったブロッコリーの葉だけだったわ



自分がキャベツ畑を持っていたらこの農家さんと同じ感情を持つだろうなと思って、その頃から私は保護して育てるのをやめることにした






今年も春アゲハが卵を産みにきて

たくさん幼虫が育った


しかし5月に入って不安定な天気が続き

真冬のような気温と風が襲い、

最後の排泄(ガットパージ)をした終齢幼虫が風に煽られ落ちたのをたまたま見てしまった



落ちたダメージがあるかもしれないが

折角蛹になろうとするこの子は助けてやりたくて

保護することにした



3日目には蛹になり、2週間ほどで羽化






羽化した日は雨だったが
好きなタイミングで飛んでいってほしくて
お昼頃雨のかからない場所に出しておいたら

翌朝6時の時点ではまだ居た

その後は見ていないが
夜には居なかったので
無事に飛んでいってくれた様子



放蝶は原則ダメであること
違う地域環境への放蝶は生態系を崩す
個体を守るために必要である場合に限り放蝶は認められることは理解している


それをふまえた上で、
個人的には自分の家で生まれた蝶を一時保護して
自分の家から放蝶することは許容範囲ではないかと思うが、これも本来なら自然淘汰されるはずの個体を成長させることにもなりかねないことは頭に入れておかなければならない
今回保護してしまったが、これからもうちに来るアゲハは自然にまかせて観察してゆきたい