星に願いを・・・
今日は七夕の日。子供たちは短冊に願いを託し、大人は夜空を見上げながらロマンティックな物語に思いを馳せます。空は曇り空で織姫と彦星はどうやら私の住む街から見る限り、出会えていないかも知れません。七夕の日に雨が降る事を『酒涙雨』(さいるいう)と言うのだそうです。逢えない二人の涙が雨となったのだという事です。皆さんは雨の日は織姫と彦星は逢えないと考えますか?ロマンティックを壊すように言ってしまえば、地球上の天気に関わり無く、逢えているとも言えますし、逢えないとも言えます。何故なら地球の天候がどうであろうと、宇宙の営みに変わる事は無いからです。その代わり、永遠にその距離が縮まる事も無いのです。こんな風に書いてしまうと切なくなってしまいますね。この話と似たような星が実はもう一つあるのです。それは『春の夫婦星』と呼ばれる二つの星。乙女座のスピカと牛飼い座のアークトゥルスがそれにあたります。七夕の織姫と彦星はくっ付かない変わりに離れもしない星。けれど、この二つの星は遠い未来、くっ付くのだそうです。それは何万年後という途方も無い長い時間。人の営みや交流というのもこうしたものではないでしょうか?最初は離れた場所にあって、それが何かのめぐり合わせで縁を持ち、そして繋がっていく。それが途中で切れることもあれば、強い紐帯を伴って離れがたい縁になる事もあります。人はそれぞれ自分にしか歩けない『道』の途上にあります。それは平坦な道であったり、大きく迂回を余儀なくされたり、簡単に歩ける道ではありません。けれどそうした中で見てきたもの、そして経験した事は無駄ではありません。色んなものを得たり、失ったりする中で自分の中に、そして自分の傍にあるものを大事に思う心。それを直ぐに得る人もあれば、長い時間を掛けて漸く手にする人もあります。七夕の二つの星は離れない代わりに寄り添う事も永遠にありません。しかし、春の夫婦星のように、どれ程の長い時間があったとしても、そうなる事が必然であるように共に様々な縁を繋ぐ。素晴らしい事だと思いませんか?今日は星を眺めるには適した日ではありません。しかし、星を見ながら、こんな風に考える日があっても良いですよね?そして、星に願う事・・・必然と呼べる出会いを命尽きるその日まで大事にしたいと言う事。普段の喧騒や忙しさを離れ、ほんのひととき、詩人の如く宇宙を見上げて感傷に浸るのも良いですよね。