ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード / フォー・ユー・ブルー/1970年  (US) シングル
 レット・イット・ビー / (1970年)    収録
 邦題「ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード」 
 レノン / マッカートニー    作
 ポール・マッカートニー作の楽曲  

 リード・ヴォーカルはポール。
 「レット・イット・ビー」と並ぶポールのピアノの代表的なバラードとして有名。
 アメリカではシングル・カットされて1位記録。
 アメリカと日本はこの曲がラスト・シングルとして発表されている。

 この曲についてポールは「あの頃の僕は疲れきっていた。
 どうしてもたどり着けないドア、達し難いものを歌った悲しい曲だよね。 
 終点に行き着くことのない道について歌ったんだ」と語っている。





    [Paul McCartny - The Long And Winding Rord]




 ■ ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード

 君の扉へと続く
 長く曲がりくねった道
 それは決して消えることなく
 たびたび現われては
 この場所へ僕を連れ戻す
 どうか君の扉へと導いてくれ

 荒々しく風の吹きすさぶ夜は
 雨に洗い流され
 あとに残ったのは涙の海
 僕は明日を求めて泣いた
 なぜここに放っておくんだい
 どうすれば君のもとへたどり着ける?

 寂しさに泣き濡れたことが
 幾度あったろう
 僕が手を尽くしているのを
 君は知らない

 そして結局 ここへ戻ってきてしまう
 長く曲がりくねったこの道
 君は僕をここに置いていった
 遠い昔のことだ
 いつまで待たせておくんだい
 どうか君の扉へと導いてくれ

 けれど結局 ここへ戻ってきてしまう
 長く曲がりくねったこの道
 君はここに僕を置いていった
 遠い昔のことだ
 いつまでも待たせないで
 どうか君の扉へと導いてくれ

            訳 : 内田久美子



 ビートルズ末期、ポールの孤独、憤り、悲しみ、疲労困憊、そして一縷の望み・・・・・
 が、産み落としたメロディは、かくも美しくやるせなく狂おしい。
 印象深い歌い出しから、彼の思いが溢れ出す。 
 この時期に彼が書いたメロディアスな楽曲群が、負の心情から生まれていると思うとつくづく
 因果な商売である、作曲家は。 

 ポールが弾くピアノの足下にジョンとヨーコが座りジョージ、リンゴに、ビリー・プレストンが加
 わってのスタジオ風景は、「レット・イット・ビー」の映画で観ることができるが、この時の4人の
 心情を考えると、いたたまれない気分になる。
 “辿り着けない扉” や “目的地の見えない長い道のり” を綴った歌詞が何を示しているかは、
 3人(とヨーコ) にも明らかだったはずだから。 (赤尾美香)




   Paul MacCartny - The Long And Winding Road  (Live 2009) 

 
  
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