イエロー・サブマリン / エリナー・リグビー / (1966年)    収録   両A面シングル
 リボルバー / (1966年)     収録
 「邦題」エリナー・リグビー     
   レノン / マッカートニー  作
 ポール・マッカートニー作の楽曲

 リード・ヴォーカルはポール。 バッキング・コーラスはジョンとジョージ。
 13枚目のオリジナル・シングル。 全英・全米チャートで1位を記録。
 この曲は日米ではB面に発表された。

 当時の恋人、ジェーン・アッシャー宅の地下室でピアノで作曲。
 歌詞がついたのは少しあとで結婚式に教会で米を拾う女性の話から構想をふくらま
 せている。

 ビートルズは演奏せず8人の弦楽隊がジョージ・マーティン作成のスコアを奏でた。
 ポールはこの曲で67年のグラミー賞コンテンボラリー歌唱賞を獲得。




   Eleanor Rigby - The Beatles



 ■ エリナー・リグビー

 あの孤独な人々をごらん
 たくさんの孤独な人々をごらん

 エリナー・リグビーは
 結婚式のあった教会で床に落ちた米粒を拾う
 夢の世界に生きる彼女
 ドアのわきの壺にしまった仮面を
 取り出してかぶり 窓辺で待つ
 待ち人は誰?

 ああした孤独な人々はどこから来るのだろう
 ああした孤独な人々はどこに身を置くのだろう

 マッケンジー神父は
 誰にも聞いてもらえない説教の原稿を書く
 彼に近づく者はない
 夜も更けて
 誰もいない部屋で靴下を繕う彼の姿
 何もかまうことはないのに

 ああした孤独な人々はどこから来るのだろう
 ああした孤独な人々はどこに身を置くのだろう

 あの孤独な人々をごらん
 たくさんの孤独な人々をごらん

 エリーナ・リグビーは
 教会で息を引きとり その名とともに葬られた
 葬式には誰も来なかった
 マッケンジー神父は
 土で汚れた手を拭きながら 墓をあとにする
 救われた者はいない

 ああした孤独な人々はどこから来るのだろう
 ああした孤独な人々はどこに身を置くのだろう

                 訳 : 内田久美子




  
     ザ・ビートルズ : 赤盤ドキュメンタリー



 “エリナー・リグビー” は 意外性に富み
 ビートルズの幅広さを感じさせる曲だった
 弦楽器の音が “イエスタディ” を彷彿させる

 “エリナー・リグビー” のユニークな点は
 4人が全く演奏しなかった 初めての曲だということだ
 ヴォーカルのみの参加だった 
 まさに新たな章の幕開けだった
 
 赤盤の中の“イエスタデイ” “ひとりぼっちのあいつ” 
 そして“ヘルプ” と並ぶ斬新さだ
 4人は新しい道を歩み始めていた
 もちろんビートルズらしさはあるが 変化は確実だった
 アドレナリンがほとばしるような 新しいだけの時期は過ぎた
 物事はどんどん複雑になってゆき 彼ら自身も変わっていく

 私たちはビートルズの変化を タイムリーに見てきた世代だ
 新しい世代の人たちはそうじゃない
 でもビートルズは曲の中で 彼ら自身の変化をとてもうまく表現している
 だから世代に関係なく みんなが彼らの音楽を楽しめる
  by (Phil Sutcliffe)



 
  
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     THE BEATLES / 1962 - 1966