はい、嫌いな言葉です。


「今どきの若い者は・・・」と並んで、生産性も無ければ建設性も無い。それこそ昔から言われ続けてきた言葉だろうし、今日生まれた赤ちゃんも、数十年後にはこの言葉を吐くんでしょう。


例えば、特定の相手とタッチしたらタイムリープできるとか、現世の記憶を保持したまま転生できるとかの特殊能力があるなら、好きなだけ吐いて戻るなりやり直すなりしたら良いけど、半世紀生きてきてタイムリープのきっかけになる相手とは巡り会えてないし、前世の記憶が蘇る兆しも見えない。仮に今日何かの拍子に前前前世から探し続けてた相手が見つからないとも限らないが、半世紀忘れてたなら探し続けてたとも言えない気もするし。いずれ「昔は良かった」から明るい未来へ繋がる展開は見えそうにない。


なんでわざわざネガティブな言葉を吐くんだろう・・・。




・・・と、意識高いアピールはここまで。


最近思うのだが、「昔は良かった」と思うのって、「いやあ45歳越えたあたりから、小さい文字が見えづらくなってきたんだよね」と同レベルで「いやあ45歳越えたあたりから、昔は良かったと思う機会が増えてきたんだよね」となる、ただの老化現象なんじゃないかと気づいてしまった。


脳科学に詳しいわけじゃないが、まず感受性が鈍る。必然的に感動する機会も減る。そして長期記憶と短期記憶の差がますます開いてくる。SMAPのメンバーは森且行含め全員言える(別にファンではない)けど、Number_iの3人が言えない(平野紫耀は予測変換で記載はできるが)。中学校の同級生の名は(現在の顔と一致すれば)思い出せるが、半年前に辞めた部下の名前はすぐには出てこない。


確か、「14歳頃に好んでいた趣向が後の人生での趣向にほぼ合致する」説があったと思うけど、そこはまさに実感するところ。


音楽への興味は失われていないけど、じゃあAmaz◯nレビューも参照してYouTubeで試聴しつつ新しいアーティストのCDも買ってみるけど、まあヘビロテにはならんよね。まふまふの「明日色ワールドエンド」とか、「これが刺さる人がいるのは分かる」けどアラフィフには刺さらん。で、岡村靖幸の新曲なんか聴くと「そうそう、これこれ」とか思っちゃう。


ハードロック/ヘヴィメタルなんてもっと顕著で、まあ大分昔にMETALLICAのラーズ・ウルリッヒがコメントしてたけど「どうせ皆BatteryPart2を求めてるんだろ?」と、まさにそういうこと。


仮に「令和のメタルアンセム」みたいな曲がリリースされたとして、私の中でBatteryを超えることは多分無い。おそらく当人達でさえも。


アーティストも同様、どんなに歌の上手いシンガーが登場したところでロニー・ジェイムス・ディオを超えることは無いし、どんなに上手いギタリストが登場してもリッチー・ブラックモアを超えることは無い。


アイドル女優グラドルは賞味期限(露出減)があるから推しの変遷はあるけど、可愛かずみの出演作(季節はずれの海岸物語とか)がBlu-ray化されたりしたら3万円でも買うだろうな。


言うまでもなく、まふまふがダメとか、今のシンガーがダメとかそんな話ではないのだよ。


単純に「私が最も感受性が高かった時に出会ったから」というだけの話。


ガンプラマニアではないけど、どんな精密なモデルが登場したとしても、小学校中学年頃に買った1/144ガンダムの感動には及ばないって話。


そんなわけで、そろそろ老化現象を前向きに受け入れようと思う。



・・・昔は良かったなあ~