「工務店のレベルが低いから断熱義務は課せない」と国交省 | 前田武志オフィシャルブログ「まえたけだよりweb版」Powered by Ameba

「工務店のレベルが低いから断熱義務は課せない」と国交省

再生可能エネルギー・省エネ技術促進議員連盟の勉強会を開催いたしました。


エネルギー問題には「エネルギーを創る」と「エネルギーを使う」の側面があり、民生・業務用の建物の省エネ化は喫緊の課題です。


特にエネルギー消費量でみると、民生部門(一般世帯と事業所、事務所等)は2009年は1990年比131%の伸びを示しており、対策の遅れが顕著だと言えます。


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(出典:資源エネ庁)


そこで、今回の議連勉強会では特に住宅の省エネ政策に焦点を当てて、国交省、経産省・資源エネ庁・環境省から政策の方向性に関するヒアリングと質疑応答を行いました。


さて、住宅の省エネ化には冷暖房、給湯機等設備の高効率化と住宅自体の断熱性能を高めるという2つの方法があります。


しかし、設備は年々改良される一方で既存設備は老朽化して導入当初の性能が維持されません。


一方で、住宅自体の断熱は、一度しっかりと施工すれば、設備に比べて余程長期間、性能が維持されるため、省エネ化には住宅の断熱が圧倒的に効果的です。


この点において、住宅のエコポイントは非常に効果があったようです。


業界団体の方々からもお話をお聞きしておりましたが、その中で「エコポイント導入により、省エネ等級の明らかな引き上げが見られ、住宅の省エネ性能の向上促進に大きな効果があった」とコメントを頂きました。


国交省も「省エネリフォーム」という言葉が認知された効果は非常に大きいと発言されました。


ただ、業界からは「エコポイント終了後、躯体の断熱性能を低下させる工務店が散見される」との指摘もあり、住宅の省エネ化には継続的に取り組んでいかねばならないことも示唆されました。


所定予算の消化が明らかになったため、現行のエコポイント制度はこれで一度終わりますが、政治の責任として省エネ施策として新たなエコポイント制度の創設に取り組んで行きたいと、前田武志をはじめ、出席した議員から発言がありました。


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(エネルギーを「使う」ことにもっと注目を)


ところで、標題の通り、国交省から重大な認識をお聞きしました。


住宅の省エネ化において「断熱基準の義務化」は大変重要なテーマです。


世界の先進諸国ではエネルギー問題の解決策として再生可能エネルギーの導入促進とセットで住宅の断熱の義務化が当たり前となっています(お隣の韓国や中国でさえ義務化されています)。


そのため国内でも義務化議論は盛んですが国交省としてはまだ踏み込めないそうです。


その理由は中小工務店のレベルが低いため、断熱の義務化を強行した場合、多くの工務店が仕事を失ってしまうため、というものでした。


「工務店のレベルが低いから断熱義務は課せない」


前田武志もその視点は欠いけていたようでしたが、国交省もそこまでレベルが低いと認識しているのであれば、人材育成にもっと力を入れなければなりません。


断熱基準の高いドイツでも、義務化に際して同様に人材問題を抱えていたそうです。


そこでドイツでは義務化導入まで猶予を持たせ、行政が主導して人材育成に取組み、その後導入に踏み切ったそうです。


そして今やドイツの建材は世界へと市場を広げていると言います。


「ハードルが高いから跳ばない」と「ハードルを高くすれば高く跳べるようになる」という認識の違い、取組みの違いかもしれませんが、311大震災を受け、新たな国を作ろうとする今、求められるのは挑戦ではないでしょうか。


前田武志も参加した国交省、経産省、エネ庁、環境省にそれぞれできることを考えて欲しい、横につながって議論をして欲しいと語りかけておりました。