エイワット視察について
昨日は大阪経済法科大学での講演の後、株式会社エイワットの視察に行きました。
今回の大震災の復興において大切なことは「旧に復する(復旧)」のではなく、新しい哲学に沿って新たな都市を創らなければならないということです。
そして新しい哲学とは低炭素循環型社会、エイワットさんの分野でいうならば、自然を活かしたエネルギー調達の小規模分散化による独立型エネルギー都市がそうだと言えるでしょう。
その思想は、前田の掲げるマニフェスト43-45で政策としても実現を目指しております。
意見交換を通して特に前田から柴田社長にお願いをしたことは、「地域の啓もう活動」です。
つまり、新しい東北を創るためには東北の人が自立心をもって立ち向かわねばなりませんが、どの方向に向かって進むかということについての指針を示す活動を行って欲しいということです。
柴田社長はすでにそのような活動に取り組んでおられます。
例えば大阪府の高専や和歌山の高専に被災地の学生を引き受け、最新の自然エネルギーに関する実学を学べるように働きかける等はまさに必要な取り組みです。
しかし、この将来につながる【米百俵の取組み】だけでなく、今いる東北の人たちが今すぐ取り組めるような啓蒙活動にも力を貸して欲しいということなのです。
「奇しくも3月11日に固定価格買取制度についての閣議決定がなされた。これが国会で通れば地域には電力会社が立ち上がる準備が整う。それを目指して人創りに取り組んで欲しい」とは前田の弁です。
柴田社長も、ベースができれば「しっかりと協力する」と力強くおっしゃってくださいました。
一時間ほど意見交換をした後、会社を見学させていただきました。
一階の工場には各種の加工機械があり、サイフォン方のミニ水力発電機や水車型のミニ発電機が作られていました。
水力発電の効率において重要なことは自然の滝のように水圧を拡散させるのではなく、パイプや側溝のように流れを整え、集約させることが重要なのだそうです。
また、灯油を入れ替える時に使う「お醤油チュルチュル」の大型版を利用し、高低差を利用すれば、効率の良い水力発電になるそうで、京都でも実際に導入したそうです。
下の写真は独立型のLED街灯です。
性能を高めた結果、使用電力は一般街灯の4分の1まで下がり、この街頭に太陽光パネルを付ければエネルギー独立型の街灯として使用できるということです。
駐車場には小さな風力発電機が付いています。
これは、地下の貯蔵タンクにためた雨水をポンプアップするのに利用するそうです。
エイワットさんの工場内は、よく見る町工場の様子とほとんど変わりません。
しかし、柴田社長からお話を聞き、お取組みを拝見した後に覗くと、これまで見たことのない素晴らしい工場に見えてくるのです。
小規模分散型の自然エネルギーによる発電事業の主役は工業地帯に立つ超大型工場ではなく、エイワットさんが図らずも体現されておられる、よくある町工場なのです。
だからこそ、地方でも無理なく展開できる新産業なのだと確信いたします。
被災地の方が自立するために「固定価格買取制度」の導入は欠かせません。
しかし、制度を導入してもそれを活かす人がいなければ意味がありません。
前田武志はエイワットの柴田さんをはじめ、被災地の復興に尽力される皆さまをできる限り応援し、新しい国づくりに取り組んで参ります。