こんな記事が。
⇒ http://www.bloomberg.co.jp/news/123-M6AS931A1I4H01.html

2年前に一時的に1%を割り込んだ時には大騒ぎだったが、いまでは日常風景となった超々低金利。こんな事態はなかなか想定できない。

ぼくの会社は、事業再生コンサルティングをしているので、いろいろな困難(特に資金繰り難)に直面している社長さん方が相談にお見えになる。最近、数件あった事例が、メガバンクと永年非常に親密に取引をしてきた『元』優良中小企業が、金融デリバティブズで損失を抱えている、もしくはアゲインストポジションの清算を迫られ、多額の損失計上と、そのセットで多額の借入金が発生したというものだ。
例を上げると、将来金利が上昇するとするシナリオに基づく単純な金利スワップ(固定金利払い・変動金利受け)であったり、将来ドルが高くなる(円安になる)とのシナリオに基づく通貨オプション(為替オプション)であったりする。(この通貨オプション契約は、ノックアウトやデジタルオプションを3つ組み合わせたシンセティックのゼロ・コスト。)どんな契約を結ぶのも、当事者が納得していれば良いのだが、問題なのは、中小企業オーナーが、しっかりした相場観をもたず、また、デリバティヴズの基本知識が無いのに、借入のロールオーバー時に、実質的に抱き合わせで契約「させられている」ことだ。
そして、ぼくがさらに問題と考えるのが、その契約期間の長さ。
前述の通貨オプションなんか、契約期間が3年間。輸入サイドの会社さんなので、円安ヘッジのプロダクトを買った(買わされた?)ものの、その後の皆さんもご存知の円高で、多額の含み損が発生。ポジション精算で借入金が増えてしまい相談にいらっしゃった。単純に円安リスクをヘッジするのなら、期間数ヶ月単位でドルコール・円プットを買うか、レンジフォワードかフォワード(先渡し)程度で良いのに。

3年先の為替相場なんて、ヘッジファンドだって見通し無理だわ。

懲りずにこの手の商品を売るのは、超大手行さん。全銀協のADR相談窓口行き案件なのに、もう取引清算が終わっているので、蒸し返しはむずかしそうだな。
今朝は、これから、東京簡易裁判所へ。



$satoshiのブログ-20120525-1

別に、ぼくが訴えられた訳ではありませぬ・・・。
(過去には、ぼくがCFOをしていた会社の訴訟で、役員として口頭弁論に出廷したことはありますが。)

さて、きょうは、クライアントさんの付き添いで、被告側として出廷します。

原告は、リース会社。

ぼくは、仕事柄、資金繰りに窮したクライアントさんの相談に乗りますが、当然、支払が遅れたり、全く支払えなくなってしまうクライアントさんもいます。
そんな場合、債権者は支払を求めて、『和解申立』、『支払督促』、『提訴』といった法的措置を取って来ます。
債権者の金融機関やリース会社に取っては、日常茶飯事の事でも、債務者(クライアントさん)に取っては生まれて初めての経験で、気が動転してしまいます。
裁判所からの書留郵便(特別送達)なんか来た日にゃ、ブルブル震えてしまいます。

そんなときは、『ぜーんぜん、心配ないから。』とか『たんなる、事務的な手続きですから』と言って、安心させてあげないとね。

そう言って、安心させてあげる一方で、債権者に対する反論や和解条件の落としどころについては、綿密にシミュレーションして、準備を怠らないよう作戦を練るのが、ぼくの役目。

さて、今日は、どんな言い訳で煙にまくかな。

<ケース1>

クライアント概要
 地方都市の卸売業
 業歴 30年以上
 代表者 79歳 (若干認知症ぎみ)
 年商 3年前 400百万円⇒今期120百万円
 負債 金融機関2行から 400百万円
 実質債務超過 約400百万円

債務問題だけでなく、経営者の高齢化と認知症の観点から、債務問題は任意整理が必須と判断。
昨年末から、支払停止で、先月金融デフォルト。
3月初めに中小企業信用保証協会から、連帯保証人の社長に呼び出し状が送られて来た。
面談期日は、3月22日。

ところが、3月中旬に、社長が健康診断に行ったところ、動脈瘤肥大の懸念が判明。
再検査が、上記面談期日と同日の3月22日だった。
社長は、「借りた責任があるので、再検査を延期してでも、保証協会との面談に行く」と。
僕は、「借金問題に、命まで掛ける必要は無い。再検査を優先して下さい。保証協会の面談は、ぼくが代わりにひとりで行って来ます。」と。

全ての経営者は、デフォルトは初めての経験。
どう、対処して良いのか全く分からない。不安にかられる。

ぼくは、債権者と切った張ったの交渉を、ほぼ毎日しているから、怖くない。
交渉のプロに任せてくれればいいんだ。

当日、債権者3者と、交渉に行き、苦しい言い訳や、のらりくらりの言い逃れなどで凌いで来た。

今日、社長から連絡があった。

「再検査の結果、急遽、手術の必要があるそうで、4月5日入院、翌日手術」とのこと。

もし、22日に、債権者との交渉を優先して、再検査を延ばしていたら、検査日は、4月下旬。
その間に、動脈瘤が命に関わる状況になっていたかも知れない。

「ありがとう。」
今日の、社長のひとことで、この仕事をやっていて良かったと、再認識できた。

まだまだ、出番は多そうだ。