先日のご提案の際に使用する模型を製作中のひとこま.
僕のデスクのうえ、机のとなりのハキダシ窓から差し込む冬の陽ざし.
模型をつくっていて、やっぱり模型製作も設計の大事な工程だな、、って思う.
壁、開口、タレ壁、位置、大きさ、高さ、プロポーション、間合い、個人的な魅力を感じるニュアンスの微調整.
模型と設計図を行き来する.
手を動かして、頭を動かし、プランをつくっている時間. 僕は設計者だって思う.
ふと。いい時間だな、、とも思いながら.
最近の僕が閃く建築は壁がつくる間合いにこれまで以上に敏感になっている気がします.
もちろんPLANはProject、計画地、要望に合わせて生成、統合していくものなのでひとくくりには言えないけど、
独立したばかりの頃は小屋のかたちが多くて、その次は柱がうみだす間合い、自分で言うのもなんだけど、最近、壁の時代に入った気がします.
それはただ単に形の問題じゃなくて、その建築要素、量感、質感同士がどのように関係し空気の質をつくっていくか.
小屋 → 柱 → 壁
小屋の在り方を考えていた時は僕たちが住む風土との溶け合い、シンプルな形にすることでのコスト、架構の合理性を、
柱を連続させることで透ける領域と連続性に気付き、(京都の圓通寺や奈良の慈光院はとても学びが多かった)
いま、壁の厚み、余白、抜け、周囲の環境との関係で間合いをつくることに解像度が敏感になってきたと自覚します.
もちろん、今僕がまわりを感じる皮膚感覚はゼロからリスタートではなく、これまでの興味も、関心も備えた重なりのうえでこれからの建築設計を行っていきたい.
フランクロイドライトが紹介した岡倉天心の有名な言葉、
『一つの部屋の実体(リアリティ)は、屋根や、壁で取り囲まれた空虚な空間に見出されるのであって、屋根や壁そのものにあるのではない。水差しの用は、水を注ぎこむことのできる空所にあるのであって、それの形だとか、それを作り上げている材料だとかにあるのではない』
を思い出す.
2006年にはじめてこの本を読んだときはなるほど、と思ったし、今も思いますが、
今思うことは、これは感じ方や概念ベースの話であり、その間合いに適した素材感、知覚を導く構成なども重ねてつくっていきたいと思います.
重ねること.
projectの特性も、依頼者さん個人、私の興味も、培ってきた皮膚感覚も、重ねてひとつの建築をつくっていきたい.
現実の体感も考えながら、知覚の先、想像の向こう側、人間の輪郭や境界線をこえていく建築をつくっていきたい.
周囲の環境や、太陽や星たち.宇宙の果て、人間の心の中と溶け合い、つながるような場所たちを.
そう思っています.
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