浄瑠璃寺再訪 | ヨネダ設計舎のブログ

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出来事 日常 建築 

伊賀で工事中の茶室のプロジェクトの件で、茶道の先生にアドバイスと打合せの時間をいただく.

その帰り、車で走ること40分.
夕方を狙って京都と三重の県境にある、浄瑠璃寺へ.

千年もの前に建てられた、国内で唯一現存する九体阿弥陀堂.

内部に九体の阿弥陀如来像が並ぶ.






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西方浄土 

西側にある彼岸、夕焼けを背景に、池に映しだされる浄土を拝む形式.

池に映る世界が浄土を顕す.

かつては、参拝者は本堂に入ることは許されておらず、お堂の際まであった池の対岸から本堂に並ぶ仏様を拝んだ.

建築は抽象的、実用的な意味だけでなく、精神的、宇宙方位的な意味でも、光とともにあった.

宗教建築は特に.


そのことを再確認、体感するために5年ぶりに再訪.



阿弥陀堂の内部.

「仏の大きさに対して内部は小さく感じる.それはかつては内部に人が入ることを想定しておらず、このお堂自体が仏にとっての大きな厨子として建てられたとも考えられる」


と説明書きがあり


それまで自分は、あくまでも自分を軸にしたスケール感しか持ち合わせておらず、その体感を軸に心地よさであったり、空間を把握していたけれど、そうではない異相のスケール軸、フィルターの存在に気付く.


そのフィルターを透かしてお堂を見ると、それまでと違って感じた.



概念 空間 は人の認識によってできていること.




一年の内、わずかな期間しか会うことのできない美しい木造吉祥天立像とも再会.